2016 Fiscal Year Research-status Report
膜電位イメージングを用いたβエンドルフィンによる脊髄鎮痛機序の解明
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16K20113
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
寺島 哲二 獨協医科大学, 医学部, 助教 (30526398)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 内因性オピオイド / 鎮痛 / 脊髄後角 / βエンドルフィン / サブスタンスP |
Outline of Annual Research Achievements |
内因性のペプチドホルモンであるβエンドルフィンは、オピオイド受容体を介して強力な鎮痛作用のみならず多幸感や報酬系にも影響を与えると考えられている。われわれはこの鎮痛作用機序の一つとして、NK1 internalizationを指標に免疫組織学的手法を用いて、βエンドルフィンの髄腔内投与が脊髄後角表層における興奮性神経伝達物質であるサブスタンスPの求心性一次線維からの放出を抑制していることを確認した。 本研究の目的は、鎮痛作用機序のさらなる解明のため、神経興奮マーカーであるc-Fos蛋白発現を免疫組織学的に評価し、それと共に膜電位イメージングシステムを用いて脊髄シナプス伝達を視覚的に観察することにより、βエンドルフィンが脊髄侵害受容シグナルに与える影響を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね計画通り、進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究結果を、学会発表及び論文執筆・投稿などにより広く伝えていく。
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Causes of Carryover |
当初の予定に比べ、研究の進展に伴い実験計画・途中経過の打合せのため旅費の支出が増加した一方、既存の施設にある実験動物および設備や物品を使用することができたため、物品費の購入額は少なくなり、全体として初年度の予算額を僅かに下回る結果となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
そのため、他の実験用器具、実験に必要な物品、実験動物の購入費用等にあてて、より一層充実した研究環境を整える方針である。
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