2016 Fiscal Year Research-status Report
LDLによる腎癌ソラフェニブ耐性の獲得機序の解明と新規マーカー、薬剤の開発
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16K20123
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
内藤 整 山形大学, 医学部, 助教 (00431643)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 腎癌 / LDL / ソラフェニブ |
Outline of Annual Research Achievements |
LDLにより腎癌細胞株のスニチニブおよびソラフェニブの効果が減弱する効果について、学術誌に報告した。また、耐性の効果がSK-45細胞株以外でも再現ができるか、769P細胞株、A498細胞株においても研究し、LDLによるPI3K/AKT/mTOR経路の活性化、細胞増殖抑制効果について再現をみたところ、ウェスタンブロット法にてAKTのリン酸化亢進、4EBP1、S6Kリン酸化の亢進を確認、MTS法にて細胞増殖抑制効果がソラフェニブにおいてみられることを確認した。SK-45では、スニチニブにおいても見られた細胞増殖抑制効果は、769P株、A498株では脂肪除去培地下、LDL添加培地下どちらにおいても認められず、スニチニブによる直接効果自体が確認できなかった。従来、ソラフェニブやスニチニブは腫瘍細胞に対する効果はなく、血管に対しての効果が強調されてきた。我々の研究結果はスニチニブにおいては腫瘍細胞に対する効果は確かに少ないようだが、ソラフェニブにおいては、環境によっては直接効果があることを示している。 今後、これらの知見を基に、脂肪除去培地、LDL添加培地下での遺伝子発現網羅解析の比較をRNAシークエンス法にて行なう。さらに、同定された遺伝子siRNAなどの技術を用いて発現抑制を行うことや阻害剤があれば阻害剤を使用することなどにより機能解析を行い、ソラフェニブの効果を増強させる薬剤の開発につなげる。これらについては、機能が同定されれば細胞株移植マウスを用いて、in vivoでの研究も行う。また、臨床検体を用いて発現解析を行ないソラフェニブの効果を比較することによりソラフェニブに対するpredictive biomarkerの開発につなげていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
米国で研究を行っていたものを持ち帰り研究を行っていた。研究の際に使用する脂質除去培地を作成したが、本教室で使用していた培地と米国で使用していた培地が若干異なっており、脂質除去培地の作成に問題を認めた。そのため当初、米国で行っていた研究の再現がとれず、再現実験に時間を取られてたため当初の予定より遅れいてる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、再現実験は成功しており、今後の研究については、当初の予定の通り継続できると考えている。まず、脂質除去培地下とLDL添加時の遺伝子発現解析であるが、予定通りRNAシークエンス法による解析を当院遺伝子研究施設に依頼できている。この結果により次の研究へつなげる予定である。
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Causes of Carryover |
予備実験段階で遅れが生じ、本来予定していた研究を次年度行うこととなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次世代シーケンサー使用など次年度に持ち越し。
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Research Products
(2 results)