2017 Fiscal Year Research-status Report
ヒト及びカニクイザル多能性幹細胞を用いた腎尿路再生の研究
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16K20131
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
小林 憲市 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40727434)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | カニクイザル / 腎分化 / 多能性幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、報告したようにカニクイザルのES細胞はヒトiPS細胞とは全く異なる挙動を示し、腎分化の誘導が困難であったため、まず分化条件の調整を行った。腎分化においてはWnt pathway を誘導するため人GSK inhibitorを使用するが、カニクイザルES細胞はその分化能を維持するため、維持培養系において、Wnt pathwayを阻害して培養するため、ヒトiPS,と同じ強度の誘導では弱いことがわかった。さらに昨年作成した、OSR1にGFPをノックインした細胞でOSR1をホモでKOした細胞とヘテロの細胞、野生型細胞を使用し分化に応じたGFPの発言を比較し、ヘテロ細胞でGFPが高発言を示すことを確認した。 GFPをノックインしたES細胞が多能性を維持していることを確認するため、奇形腫形成能の確認を行った。 生体への移植を目指し、同じ遺伝子改変を免疫寛容が成立するカニクイザルのiPS細胞でも行った。また腎分化において、未分化細胞の残存は腫瘍化のリスクとなり得るため、未分化細胞の消失を確認するため、多能性マーカのOCT4にtdTomatoをノックインしたカニクイザルのES細胞、iPS細胞を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
腎分化のプロトコルがある程度確認されたが、作成の過程で、細胞の染色体異常がみつかり、細胞の作り直しを行い、3ヶ月の遅れが生じた。また、当初想定したより、カニクイザル多能性幹細胞の分化効率がよくなく、未分化細胞の残存という新たな懸念が生じたため、NegativeSelectionのための新たな細胞の樹立が必要となったため、生体への移植実験に到達できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究計画が通った後、Virtoでの腎臓オルガノイド作成手法が、報告された。カニクイザルの細胞の分化効率はあまりよくないため、Vivoで行う前に、より3次元的なオルガノイドでの分化の状態を確認し、生体移植実験への準備を整える。
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Causes of Carryover |
学会発表に至るまでのDataが出せす、出張がなかったこと、生体への移植ジッッケンが進まなかったため、それ予定していた支出が当該年度に発生しなかったため次年度へと予算の繰越が発生した。
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