2016 Fiscal Year Research-status Report
異常糖鎖IgA1構造解析から腎移植後IgA腎症の再発メカニズムを解明する
Project/Area Number |
16K20132
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中澤 成晃 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (80759530)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | IgA腎症 / IgA沈着症 / O型結合糖鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
<対象と方法>gA腎症レシピエント21例、IgA沈着症を認めたドナー16例、IgA沈着症を認めなかった健常ドナー17例を対象とした。移植前保存血清よりIgAのヒンジ領域のみを抽出し、脱シアル化したのち、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法で測定した。GalNAc,Galの組み合わせごとに総イオン化数に占める各イオン化数を%として評価し、3群間を比較した。 <結果>1.測定されたmass spectraの1例をFig.1に示す。測定されたm/zの値から結合している糖鎖の結合数を算出する2.IgANで増加しているとされるGalが欠損しGalNAcが露出したGalactose-deficient IgA1(Gd-IgA1)の割合は3群間で有意差は認めなかった3.1ヒンジ領域に結合しているGalNAcの結合数が4,5,6の割合は3群間で有意差を認めた。 4.測定された質量分析の結果から、3群間を予測する予測式をordinal logistic regression analysisより作成し、糖鎖解析による診断能を解析すると、AUC=0.8983,0.9221と良好であった。 <結語>IgA腎症、IgA沈着症、健常人の3群間の血清IgAヒンジ領域のO型結合糖鎖に相違点があることが初めて解析された。またこれを利用した予測式により高い正診率を示し、リキッドバイオプシーとしての可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
IgA腎症患者の検体からのIgA抽出が困難なため、腎に沈着しているIgAの糖鎖構造解析は行えていない
|
Strategy for Future Research Activity |
さらに症例数を加えて解析を続ける。
|
Causes of Carryover |
平成29年度の研究で使用する試薬の予算が想定より増額したため、平成28年度の支出を抑えた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
試薬の購入費に使用する。
|