2016 Fiscal Year Research-status Report
新規治療法の開発をめざした前立腺癌進展における免疫細胞関与の機序の解明
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16K20137
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 拓自 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (50747079)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | HVJ-E / 抗PD-1抗体 / 前立腺癌 / モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
フローサイトメトリーによる解析の結果、遺伝子改変前立腺癌自然発症モデルマウス(PtenノックアウトマウスとPten・Tp53ダブルノックアウトマウス)の前立腺組織中の免疫細胞としては、B細胞やT細胞などは有意差を認めず、MDSCとマクロファージが有意に増加していた。この結果より、前立腺癌の進展において重要な免疫細胞はMDSCやマクロファージといった単球系の自然免疫細胞ではないかと推察された。 そこで前立腺癌患者における血中の白血球のうちの単球分画や前立腺組織中のマクロファージについて着目し、臨床検体を用いて臨床・病理パラメータとの関連がないか評価する研究を進めていく予定である。 またPtenノックアウトマウスにHVJ-Eと抗PD-1抗体を併用投与した数匹の38週齢での前立腺重量は、無処置のものと比較して小さい傾向であった。しかし、38週齢での前立腺重量はある程度の個体差が認められるため、各群n=10程度の多数例で検討する必要があると考えられ、モデルマウスの繁殖・多数例同時の薬剤投与を外部業者に委託しており、今年度中にその結果が出る予定である。HVJ-E単独治療でも前立腺癌に対する治療効果を有していると考えられるため、単独治療と併用治療との効果の差異についても検討していく必要がある。HVJ-Eの投与方法についても、前立腺内への局所投与と皮下投与と皮内投与のどの投与方法が最適であるか検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モデルマウス数匹程度の予備実験では、HVJ-E+抗PD-1抗体併用群では無処置群と比較して38週齢での前立腺重量が小さい傾向であった。
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Strategy for Future Research Activity |
多数(各群n=10ずつ程度)のモデルマウスに治療を行い、前立腺重量に統計学的有意差が出るか検討し、治療効果が認められた場合にはその機序についても詳細な検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
昨年時点で採取されているサンプル数が限られており、余剰金が出た。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
逐次サンプルが採取した際に解析を追加していく予定である。
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