2016 Fiscal Year Research-status Report
腎細胞がん微小環境における骨髄由来間葉系幹細胞の機能解明
Project/Area Number |
16K20142
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
北野 弘之 広島大学, 病院(医), 医科診療医 (60721933)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 癌間質 / 骨髄由来間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
腎癌細胞株のCaki-1を主に用いて研究を行っている。腎被膜下にCaki-1細胞を1000000個ほど30Gy針を用いて注入して、腎癌同所移植モデルマウスを作成した。これらの実験系はこれまでの研究と同様であり、当科では確立された実験手技となっている。また、腫瘍が形成されたと思われる移植実験から2週間後にIn Vivo Imaging Systemを用いてがん細胞の生着を確認している。2週間で腫瘍が形成されていなければ、4週間後に再度確認している。癌細胞が腎被膜下に生着して腫瘍形成ができていれば、尾静脈から生食もしくは骨髄由来間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell:以下、MSC) を注入し、MSCの癌間質での分布について確認する予定である。 現在まで、腎癌同所移植モデルを作成して、尾静脈から生食を注入してコントロール群を作成した状況である。 研究の主たる目的は、腎細胞癌の間質におけるMSCの役割を解明する事である。そのため、現在は腎癌同所移植モデルマウスの作成後にMSCを注入しており、コントロール群と比較していく予定である。 またin vitro実験として、Caki-1細胞に対して細胞増殖に働くか、MTT assayなどを施行している。さらには、Boyden chamberを用いたMSCの運動能の解明や、がん細胞とMSCの間に起こるシグナル経路の解明を、がん細胞とMSCを共培養して、あるいはがん細胞のコンディションメディウムをMSCの培養液にしてMSCがどういった細胞に分化するか経時的に評価する。またMSCの分化には液性因子だけでよいか、がん細胞との接着によるシグナル応答が必要か検討する。 そして、がん細胞とMSCを共培養することで過剰産生される増殖因子やサイトカインを網羅的に解析するサイトカインアレイを行っていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
腎癌細胞株Caki-1を用いて同所移植モデルを作成しているが、これまでの研究から当研究室では確立した手技の一つであった。ただし本研究においてがん細胞が生着するマウスと生着しないマウスがあり、ここ最近は生着しないマウスが多くみられる。これまでにCaki-1細胞の同所移植を複数回施行しているが、これまでの研究内容と比較して成功率が芳しくない。そのため本研究で使用しているCaki-1細胞を、凍結している他のCaki-1細胞に変更して同所移植モデルの作成を行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
まずは、同所移植モデルの作成を進めていき、さらに尾静脈から細胞の注入していく手技を確立して、安定して同所移植モデルと尾静脈注入モデルを作成する事が喫緊の課題である。これらは研究協力者に助言をもらいながら取り組んでいる。
|