2016 Fiscal Year Research-status Report
膀胱癌におけるGC療法抵抗性に関わる分子機構の解明
Project/Area Number |
16K20148
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
進藤 哲哉 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (80749292)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 膀胱癌 / 抗がん剤抵抗性 / シスプラチン / マイクロRNA / メチレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
膀胱癌細胞株T24および同株より樹立したシスプラチン(CDDP)耐性株であるT24RCにおけるmicroRNA200b(以下miR200b)の発現をqRT-PCRを用いて検証した。CDDP耐性株ではmir200bの発現は低下しており、他株でも検証する目的で新規に膀胱癌細胞株EJ138を用いて同様にCDDP耐性株を樹立し検討した。EJ138においてもCDDP耐性株ではmirRNA200bが低下しており関与が示唆された。T24RCに対するmiR200bの強制発現ではCDDPに対して感受性化し、T24においてはノックダウンによりCDDP耐性化が生じた。T24およびEJ138のCDDP耐性株では親株に比してCpGアイランドのメチル化が高いことがバイサルファイトシークエンス法およびパイロシークエンス法により確認され、CDDP耐性株は脱メチル化剤である5-aza-2'-deoxycytidine(5-aza-CdR)処理によりmiR200bの発現が回復した。T24RCにおいて5-aza-CdRがCDDPと相乗的に細胞増殖を抑制することが確認された。また公共データベースであるThe Cancer Genome Atlasを用い、miR200b発現およびmiR200b遺伝子のCpGのメチル化が予後と相関するか検証した。筋層浸潤性膀胱癌症例においてmiR200bの発現が低い群では全生存率が有意に不良であり(p=0.0024, Log-rank test)、高メチル化群でも予後不良であった(p=0.0015, Log-rank test)。またmiR200b発現およびメチル化は逆相関関係にあることが確認できた(R:-0.702,p=1.87e-52)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シスプラチンに対する反応性に関わるマイクロRNAの同定、および解析は比較的順調に進捗している。ただし当初の予定であったゲムシタビンに対する反応性に関わるマイクロRNAではなく、現時点ではシスプラチンに対するマイクロRNAの意義および機能解析を進めている状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はマイクロRNA200bを導入することにより変動する遺伝子、また更に抗がん剤を暴露させた際に変動(応答)する遺伝子をマイクロアレイ、パスウェイ解析を用いて検証する。文献的な報告と照らし合わせ耐性化の機序をより詳細に検証する。
|
Research Products
(4 results)