2017 Fiscal Year Research-status Report
NFATc1を介した免疫抑制剤による前立腺癌新規治療
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16K20152
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
河原 崇司 横浜市立大学, 大学病院, 助教 (40555570)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 膀胱癌 / 免疫抑制座 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.膀胱癌に増殖因子(アンドロゲン刺激)を加えた群と加えない群を比較した転写因子アレイでNFATc1活性の増加を確認した。 2.前立腺ヒト組織検体を用いた免疫組織染色で予後と有意に相関した。(論文投稿中) 3.膀胱癌細胞株において免疫抑制剤で刺激したところ増殖抑制を確認した。 膀胱癌の大きな特徴は再発を繰り返すこと、再発に伴い時に悪性度が高くなることであり、治療における大きな問題となっている。そのため、膀胱癌の発生・進展機構の解明と治療への応用について様々な検討が進められているが、いまだに効果的な治療方法の開発には至っていない我々はこれまでの研究から免疫応答に関わる転写因子であるNFATc1が正常前立腺組織に比べて前立腺癌組織で高く発現していることを見出している。(論文投稿中)NFATc1は免疫抑制剤の主要標的であることから、免疫抑制剤による膀胱癌罹患率の減少効果にNFATc1が強く関わっていると推測された
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、下記3項目のうち2項目は終了しており、おおむね順調に推移している 1.ヒト膀胱癌組織アレイでのNFATc1の発現解析。 ヒト前立腺癌組織検体(200例)におけるNFATc1の発現を免疫組織学的染色を用いて検討し、組織病理学的特性と臨床経過との関連性について解析する。また、得た結果を用いて予後予測ノモグラムを作成し、共同研究機関である海外多施設の症例で標準化(Validation)を行い、新規診断・新規予後予測マーカーの可能性について検討する。 2.SiRNAと免疫抑制剤を用いたNFATc1機能解析。 免疫抑制剤であるシクロスポリン・タクロリムスによるNFATc1の標的分子発現をウェスタンブロット・PCR法によって検討する。また、膀胱癌細胞の増殖抑制効果、浸潤抑制効果についてはMTTアッセイ、創傷癒合アッセイ、細胞浸潤アッセイを用いて検討する。更に、各種標的分子の遺伝子発現転写調節機構についてウェスタンブロット、ルシフェラーゼアッセイ等を用い検討する。 3.臓器移植患者における膀胱癌罹患率の疫学調査。 当研究施設である横浜市立大学附属病院は腎移植の認定施設であることから、臓器移植後に免疫抑制剤を使用している患者の膀胱癌の罹患率およびサブエンドポイントとして膀胱癌の病理組織学的特性を倫理委員会の承認を受けた上で後ろ向きに解析する
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Strategy for Future Research Activity |
疫学調査および分子細胞実験を進めていく。
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Research Products
(5 results)