2016 Fiscal Year Research-status Report
ARスプライスバリアントを標的とした去勢抵抗性前立腺がんに対する治療法の探索
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16K20156
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
加藤 実 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (30711684)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 去勢抵抗性前立腺がん / ARスプライスバリアント / STAT3 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回我々は各種前立腺がん細胞株 (PC3, DU145, VCaP, 22Rv1, LNCaP, LNCaP95,) を用いてIL-6/JAK/STAT3 およびEGF/MAPK pathway signalの基礎活性状態をWestern blotで評価したところ、まずDU145 および LNCaP95がMAPKの恒常的リン酸化シグナルを有していることを認めたことから、これら2種の細胞株に対して選択的MAPK阻害剤 (selumetinib, trametinib)を投与した。これら2剤はいずれの細胞株においてもpMAPKの発現を有意に低下させたが、MTT assayでは細胞増殖抑制効果を認めなかった。この結果から、CRPCにおいてMAPKのシグナルは細胞増殖の観点からはこれまでに報告されているほど重要ではないことが示唆された。次にSTAT3のリン酸化シグナルの基礎状態を各細胞で評価したところ、IL-6の刺激のない状態ではDU145細胞のみが恒常的にpSTAT3の発現を認めたため、CRPC株であるLNCaP95とDU145をそれぞれIL-6 (50 ng/ml)で刺激し、STAT3のリン酸化シグナルを活性化することとした。さらにSTAT3阻害剤であるS3I-201、stattic, SH4-54で条件検討を行っている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in vitroでの実験はほぼ計画通りに遂行できているが、MAPK阻害剤やSTAT3阻害剤の投与による変化が一部当初の予想と異なっているため、条件検討を再度行っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は抗AR剤であるEPI、enzalutamideとの併用による変化をin vitroで確認し、最終年度でin vivoでの併用療法の有用性を評価する予定である。
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Causes of Carryover |
実験が予定よりやや遅れているために購入予定の試薬の一部を次年度に繰り越している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
STAT3 阻害剤や細胞培養、動物実験に必要な試薬・物品の購入に充当する予定である。
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Research Products
(1 results)