2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of epigenome-mediated cell population movement control mechanism in kidney cancer lung metastasis
Project/Area Number |
16K20158
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
藤岡 正喜 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (10648463)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 転移性腎癌 / 肺転移 / エピジェネティクス / 動物実験モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
腎癌では癌悪性化及び遠隔転移が臨床上問題になっており、転移の分子機序解明及び転移制御楽の開発が強く望まれている。これまでに我々はラット腎発がん物質EHENを用いたラット腎発がんモデルにおける発がん機序について明らかにしている。そこで本研究ではEHEN誘発ラット腎腫瘍より樹立した細胞株(d5p)および肺への高転移能を示すd5p由来高転移株(krm3及び7)を用いて、遠隔転移を視野に入れた癌悪性化の機序解明を目的し、研究を行った。 in vitroにおいて、d5pに対し、PI3K/mTOR dual InhibitorであるBEZ235投与によるWST-8assayおよびタンパク発現解析の結果、低用量から用量依存的な増殖抑制作用が認められた。さらに投与1時間後より、pS6及びp4EBP1タンパク発現減少が認められ、d5pはmTOR Inhibitorに交感受性であることが明らかとなった。しかしながら、高転移株であるkrm3およびkrm7のいずれにおいても親株であるd5pに比較して、mTOR Inhibitorに対する薬剤感受性が減少していることが明らかとなった。また興味深いことに、VEGF-TKIに対する薬剤感受性についても高転移株では親株に比較して著しい減少がみられた。 また、網羅的遺伝子発現解析の結果、Ca非依存的細胞接着因子IgSF CAMsが高転移株特異的に発現していることが明らかとなった。また、CAMsの発現増加は2次元平面培養よりも3次元培養にてより顕著に遺伝子発現が増大することが明らかとなった。さらに、高転移株において、CAMs knockdownによりcell growthおよびprotrusion形成、リン酸化シグナルが阻害された。 以上の結果から、IgSF CAMsの発現が細胞集団形成およびprotrusion形成に重要な役割を演ずることが明らかとなった。今後、本モデルを用いて腎癌肺転移抑制物質を検討するとともに、肺転移機序における責任分子を同定したい
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Research Products
(8 results)