2016 Fiscal Year Research-status Report
膀胱尿路上皮癌における制御性 T 細胞誘導に関与するケモカインの同定と治療応用
Project/Area Number |
16K20159
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
三宅 牧人 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (80601400)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 尿路上皮癌 / 制御性T細胞 / 癌関連マクロファージ / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
膀胱尿路上皮癌の増殖,浸潤,転移および治療抵抗性に及ぼす制御性 T 細胞の役割を明らかとするとともに,同免疫細胞を誘導するケモカイン (走化性サイトカイン) を同定し,診断・創薬・治療の開発に役立てることを目的として研究を進めている。 本研究では,膀胱尿路上皮癌における制御性 T 細胞誘導に関与する分子機構を解明し,①筋層非浸潤性膀胱癌における BCG 治療抵抗性,② 転移性進行尿路上皮癌における化学療法抵抗性を克服することを目的としている。本研究の特徴は,膀胱癌の治療経過中の検体を解析する点,そしてケモカインからみた Treg 誘導機構を解明するという点であり,これまでに同様の報告はなく新たな試みとなる。CXCL1 をはじめとした低分子ケモカインの癌微小環境の構築における役割はまだ不明な点が多く,その可能性は大きいと考える。本研究の結果は,新たなバイオマーカー・治療予測因子の発見と,BCG や抗癌剤抵抗性を克服の一助になると期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
約100症例の膀胱全摘術を受けた手術組織検体を対象とした免疫組織学的染色 (CD3,CD4,CD8,CD25,CD204,FoxP3,CTLA-4,CCR4,Elastase-1,PD-1,PD-L1 抗体) によって,癌周囲にCD204陽性細胞,FoxP3陽性細胞の集積することが予後因子となることが明らかとなった。現在は 膀胱癌の腫瘍組織,正常組織,末梢血,尿中に含有されている免疫細胞を抽出保存を進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
CD204,FoxP3は,それぞれ 癌関連マクロファージ および 制御性Tリンパ球 のマーカーである。これらの免疫関連細胞の誘導に関与しているサイトカインを血中および尿中レベルで定量する予定である。 また,採取保存を進めている膀胱癌の腫瘍組織,正常組織,末梢血,尿中に含有されている免疫細胞を,フローサイトメトリでの population 解析を予定している。
|
Causes of Carryover |
免疫染色によりケモカインの1つである CXCL1 も併せて検討する予定であったが,実施できていないため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に上記を予定している。
|
Research Products
(2 results)