2018 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of bone marrow mesenchymal stem cell transfer and metanephros transplantation into rats with nephrogenic anemia
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16K20165
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
勝岡 由一 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (10770109)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 後腎移植 / エリスロポエチン / 腎不全 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラット胎仔の後腎を成熟ラットの脂肪組織内に移植すると、移植後腎を核として自己の骨髄間葉系幹細胞(BM-MSC)が集まり、エリスロポエチン(EPO)産生臓器へと分化し、さらに他者由来の間葉系幹細胞(MSC)を追加投与するとエリスロポエチン産生臓器への分化がより促進される。これらの発見に基づいて我々は、腎不全患者の体内で半永久的に自己由来のEPOを産生する臓器を作成することにより、腎不全に伴う腎性貧血に対する新たな治療法の開発を提案することを目的として研究をスタートした。 その基盤研究として本研究では、後腎を移植したラットへのMSCのより効果的な追加投与方法を検討することにより、エリスロポエチン産生能を向上させる手法の開発を目指した検討を行った。その結果、①後腎移植+MSC経静脈的投与、②後腎移植+MSC後腎被膜下投与、②後腎移植のみ(対照)の3群間でEPO産生能をヘマトクリット値を指標に比較したところ、各群間で差を認めなかった。次に、予めラットの片腎を5/6切除し(対側はそのまま)2週間の回復期間を置いた後に開腹し、後腎移植・未処理の対側腎摘出・瀉血・閉腹の手順で病態モデルを作製した。また、MSC投与法として経静脈的投与と経腎動脈投与を試みた。後腎被膜下への投与法は、後腎組織の損傷が生着率の低下を招くことが明らかになったので除外した。その結果、腎性貧血ラットモデルをほぼ失敗なく作製することが可能になった。しかし、血管からMSCを投与する方法ではしばしば血管や肺に塞栓を引き起こすことや、MSCが局所へ十分届かない可能性が明らかになった。
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