2016 Fiscal Year Research-status Report
子宮頸がん進展における局所免疫制御モニタリング法の検討と抗腫瘍免疫回避機構の検討
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16K20173
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江口 聡子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80707810)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | エピゲノム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、1、子宮頸癌進展における局所免疫制御モニタリング法の検討については、子宮頸部リンパ球と子宮頸部組織のサンプリングを中心に行った。解析については本年度行う予定である。2、子宮頸癌進展における、子宮頸癌細胞の抗腫瘍免疫耐性獲得機序の検討については、アポトーシス関連転写因子として、STAT3の活性に注目をし、STAT3活性がCaSkiに比べSiHaで高いことを見出した。また、SiHaをSTAT3阻害剤で前処置することによってTRAIL誘導性アポトーシスが増加することを見出した(Int J Oncol. 2016 Nov;49(5):2155-2162)。さらに、子宮頸癌TRAIL耐性獲得機序として、survivinの発現が寄与していることも見出した。Survivinをノックダウンすることで、SiHa細胞がTRAIL誘導性アポトーシスを起こすことを導いた。さらに、STAT3, Survivinを共に抑制する植物ポリフェノールであるレスベラトロールも、SiHa細胞のTRAIL誘導性アポトーシス感受性を高めることを導いた。一方で、STAT3抑制やSurvivin抑制はTRAIL誘導性アポトーシス感受性を上昇させたが、シスプラチン(CDDP)誘導性アポトーシス感受性は上昇させなかった。このことより、子宮頸癌の発癌機序(HPV由来癌遺伝子であるE6がp53を不活性化する)が関連していることが示唆された。本研究成果より、TRAILとSTAT3・Survivinの組み合わせは、アポトーシス誘導機序に着目した相性のよい組み合わせである可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度はサンプリングを積極的に行っており、解析は今後行う方針である。 当初予定していた子宮頸部リンパ球のFoxP3, PD1, IFNgのメチル化パターンの検討に関しては、アッセイ系の確立途中である。
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Strategy for Future Research Activity |
子宮頸癌細胞の抗腫瘍免疫耐性獲得機序の検討を行う。また採取したサンプルの解析を行い子宮頸癌進展における局所免疫制御モニタリング法を検討していく。
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Causes of Carryover |
今年度はサンプリング、解析項目の検討が主であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後解析項目が決定しサンプルを解析にかけていく際には次年度使用額を用いて施行していく方針である。
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