2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K20184
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
古田 直美 浜松医科大学, 医学部附属病院, 診療助教 (80647595)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 胎盤 / 絨毛炎 / 免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
VUEは胎児発育不全(FGR)や胎児機能不全の重要な原因の一つとなっている他、胎児死亡に至る場合もある。2010年から2017年の8年間で提出された当院の胎盤病理検体の中でVUE high gradeと診断された症例においてその臨床像や病理所見について検討した。Amsterdam 分類に基づきungradable-possible high gradeもhigh gradeに含め検討した。2010年1月から2017年12月までに当院で出生した症例において、胎盤病理組織学的所見でVUEの診断となった88例のうちhigh gradeについて妊娠経過・出生時所見・胎盤病理所見について検討した。VUE全88症例中high gradeが28例あった。(diffuse8例、ungradable-possible high grade20例)2絨毛膜2羊膜双胎が1例該当した。NRFS5例、HDP7例、36週未満の早産8例であった。SGA児が8例、NICU管理入院は19例であった。IUFDが1例、重度新生児仮死が3例あり、そのうち1例は早期新生児死亡であった。胎盤病理所見では絨毛血管の閉塞やそれに伴う無血管絨毛等胎児血管障害の所見が主に認められたが、HDPの症例では脱落膜血管の硝子様変性や血栓等母体側の血管障害も認められた。VUEの病態は胎児循環障害が主な病態であることが症例を検討し確認できた。Ungradable-possible high gradeの症例もhigh grade同様に胎児・新生児への影響が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでのVUE分類ではhigh grade/low gradeに分類不能な症例が存在し、VUE症例の胎盤病理所見を見直しhigh grade/low grade分類を変更したから。
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Strategy for Future Research Activity |
VUEの症例100 例と妊娠週数を合わせた非VUE のコントロール症例100 例の胎盤について、亜鉛コプロポルフィリン免疫染色を行い、羊水混濁の重症度に関してステージ分類を行う。そして、脱落膜を中央に含む730μm 四方(0.53 mm2)の任意のデジタル画面を1 切片あたり5 画面(胎盤あたり4 切片x5 画面=20 画面)について、胎便を貪食したMφ 数をカウントして、胎盤あたりの脱落Mφ 数として評価し、VUE 群と非VUE 群で比較検討する。胎便を貪食した脱落Mφの数、MHC クラスⅡ分子免疫染色による抗原提示性、胎児由来DNA の含有の研究成績から、VUE における母体の免疫感作における胎便を貪食した脱落Mφの関与の可能性を評価する。さらに、これらの所見が、胎盤重量、胎盤計測値、出生体重、出生の身長、BMI、PI、アプガースコア、臍帯動脈血pH、一ヶ月検診時点での体重、身長、BMI、PI など児の予後のパラメーターとの関連を検討する。「脱落膜における胎便の染色所見をもとにして、脱落膜のMφ が胎便に含まれている胎児由来成分を貪食することにより母体のT 細胞が胎児成分に対する感作をうけ、絨毛構造を攻撃することでVUE が発症する」の妥当性について3年間の研究成績から評価を行う。
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Causes of Carryover |
今年度の資料が少なかったため。
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Research Products
(1 results)