2017 Fiscal Year Annual Research Report
The distal upstream region of insulin-like growth factor binding protein-1 enhances its expression in endometrial stromal cells during decidualization
Project/Area Number |
16K20191
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田村 功 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (40610663)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脱落膜化 / 子宮内膜 / IGFBP-1 / ヒストンアセチル化 / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト子宮内膜間質細胞(ESC)において起こる脱落膜化変化をは、胚の着床や妊娠の成立に必要な生理現象である。RNA-sequenceを用いたゲノムワイド発現解析により、多くの遺伝子発現が脱落膜化によって変化することを見出した。また、ChIP-sequenceを用いたゲノムワイドヒストン修飾解析により、脱落膜化により、活性化enhancerマーカーであるH3K27acがゲノム上の多くの領域、特に転写開始点より3 kb以上はなれた遠位領域に誘導されることがわかった。つまり、これらの領域は脱落膜化によって活性化される未だ着目されていないenhancer領域である可能性が示唆された。 IGFBP1は、脱落膜化によって特異的に発現が誘導される脱落膜化マーカー遺伝子である。この遺伝子の上流4.7 kbの領域にもH3K27acが誘導されていた。よって、この領域が脱落膜化におけるIGFBP1遺伝子発現に関わるenhancer領域であると考え、以下の解析を行った。ESCに脱落膜化を誘導したところ、IGFBP1 enhancer領域の転写活性が上昇することをLuciferase assayで確認した。ChIP assayにより、この領域にはC/EBPβ、FOXO1といった脱落膜化に重要な転写因子が結合することがわかった。また、C/EBPβをノックダウンすることでenhancer領域のH3K27ac誘導が消失したため、H3K27ac誘導にはC/EBPβが密接に関与していることがわかった。さらに、enhancer領域のIGFBP1遺伝子発現への関与を証明するために、CRISPR/Cas9によるゲノム編集を行い、enhancer欠失細胞を作成した。この細胞では、IGFBP1発現が低下していた。以上の結果から、脱落膜化におけるIGFBP1発現に関与する新規enhancer領域が明らかとなった。
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Research Products
(3 results)