2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of miRNAs regulated by transcription factor C/EBPb in decidualization
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16K20194
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
城崎 幸介 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (80721323)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マイクロRNA / 脱落膜化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト子宮内膜間質細胞 (ESCs) の脱落膜化は着床現象や妊娠の維持に必須の現象である。脱落膜化においては、多く遺伝子の発現が新たに誘導されたり発現レベルが増加したり、逆に、抑制されたりするなど劇的な変化が起きている。この時の遺伝子発現の制御には転写因子のみならず、エピジェネティックな制御機構も関与している。 本研究において、我々は、脱落膜化において重要な上流因子として役割を果たしている転写因子C/EBPbにより発現が制御されるマイクロRNAについて、C/EBPbをノックダウンしたESCsを用いることにより検索した。次世代シークエンサーによる検索の結果、cAMP刺激により発現が2/3未満になり、C/EBPbをノックダウンするとその発現が1.5倍以上になる5つのマイクロRNAと、cAMP刺激により発現が1.5倍以上になり、C/EBPbをノックダウンするとその発現が2/3未満になる7つのマイクロRNAを見出した。それらのマイクロRNAをリアルタイムRT-PCRによりバリデーションをとったところ、最終的には、cAMP刺激により発現が1.5倍以上になり、C/EBPbをノックダウンすると発現が2/3未満になるhsa-mir-29cとhsa-mir-1182の2つのマイクロRNAを抽出した。これらのマイクロRNAは、C/EBPbにより制御を受けることにより、下流の標的遺伝子の発現を調節している可能性が示唆された。特に、hsa-mir-29cはこれまでも、内膜症患者で発現が増加したり、その標的遺伝子であるFKBP4の発現低下によるプロゲステロン応答能の低下の可能性が指摘されたりしており、子宮内膜との関係が報告されている。これら2つのマイクロRNAが標的とする遺伝子と脱落膜化との関係をさらに調べることにより、着床現象の解明や新たな不妊治療の開発につながることも期待できる。
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