2016 Fiscal Year Annual Research Report
安全かつ有効な粘膜アジュバントを用いた、経鼻ワクチンによる効果的な膣内免疫誘導
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16K20195
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
金 惠珍 徳島大学, 先端酵素学研究所, 特任研究員 (70738921)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 経鼻アジュバント / 肺サーファクタント / 膣内免疫 / CD8+T cell / 細胞障害性 / 抗原提示細胞 / インフルエンザHA抗原 / Ovalbumin |
Outline of Annual Research Achievements |
我々が開発してきたSF-10アジュバントの細胞性免疫誘導効果を検討した。その結果以下の3項目の関連する成果を得た。1)鼻腔粘膜の抗原提示細胞への抗原デリバリー効果の増幅作用。2)Ovalbumin (OVA)-SF-10複合体による効果的なCD8+T cell の活性化作用。3)インフィルエンザhemagglutinin (HA)抗原-SF-10複合体によるターゲット細胞の細胞障害性の増幅作用。 1)鼻腔粘膜の抗原提示細胞への抗原デリバリー効果の増幅作用:OVAとOVA-SF-10複合体との間で、鼻腔の樹状細胞に取り込まれた蛍光色素標識OVAの量を検討したところ2.5-3.0倍の有意な取り込み増強を検出した。 2)OVA-SF-10複合体による効果的なCD8+T cell の活性化:OVA、OVA-SF-10複合体、生理食塩水を鼻腔に投与した後、頸部リンパ節でのCD8+T cell の活性化をCFSE染色したOT-1トランスジュニックマウス由来のnaïve CD8+T cellの分裂でモニターした。その結果、OVA-SF-10複合体の経鼻投与はOVAに比較して、D8+T cell を活性化して、効果的にエフェクター細胞に分化させることが確認された。 3)HA抗原-SF-10複合体によるターゲット細胞の細胞障害性:HA抗原-SF-10複合体、HA、HA-polyI:C、生理食塩水を経鼻免疫したマウスの脾臓細胞を採取して、HAペプチドで細胞を処理した際の、ターゲット細胞特異的な細胞障害性と障害因子の一つであるグランザイムの誘導を検討した。その結果、HA抗原-SF-10複合体投与群では、HA、HA-polyI:C投与群に比べて、両指標における有意な細胞障害性の増強効果を確認した。
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Research Products
(3 results)