2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K20204
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
栃木 秀乃 埼玉医科大学, 医学部, 非常勤講師 (90623695)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 子宮内膜 脱落膜化 / miRNA / FOXO1 |
Outline of Annual Research Achievements |
産婦人科領域での病態に子宮内膜の機能異常が大きく関わっていると考えられるが、子宮内膜の機能については不明な点が多い。そこで、様々な生理学的機能をもつマイクロRNAに着目し、研究を進めた。これまでに、マイクロアレイによる網羅的な解析から、子宮内膜の脱落膜化によって発現変動するマイクロRNAを6個同定した。このうち、miR-542-3pは、脱落膜化マーカーであるIGFBP1を制御することを明らかにした。さらに、脱落膜化に伴い、抗酸化に関する遺伝子を制御するFOXO1を制御すると予測される複数のマイクロRNAを同定した。興味深いことに、このマイクロRNAは、細胞内に複数存在するときに脱落膜化を抑制する様子が、形態学的に観察できた。現在引き続き脱落膜化に関わる遺伝子発現への影響について解析を行っている。もう一点、ヘパリンがFOXO1の核への局在を促進することを明らかにできた。ヘパリンは、不育症や習慣性流産での効果がいわれているが、詳細な作用機序についてはわかっていない。今後、FOXO1を制御するマイクロRNAの解析をすることにより明らかにできると考えられる。また、同定したマイクロRNAの発現制御関係や、同定したマイクロRNAの着床現象への働きについて、スフェロイドを用いた着床モデルにより明らかにする実験を進めている。同定したマイクロRNAの中の数種類を同時に作用させた場合の子宮内膜脱落膜化過程への影響についても研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
子の養育(産前産後休暇及び育児休業の取得による)のため、予定よりもおくれている。
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Strategy for Future Research Activity |
同定したマイクロRNAの中の数種類を同時に作用させ、子宮内膜脱落膜化過程への影響を検討し、研究を進める。また、それぞれのマイクロRNAが標的とする遺伝子を同定し、制御関係を明らかにする。
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Causes of Carryover |
育児のため研究の進行が遅延したため、次年度使用額が生じた。今年度は、より多くの時間を研究に費やせるよう努め、数種類のマイクロRNAが子宮内膜脱落膜化過程に及ぼす作用を検証していく予定である。マイクロRNAの強制発現実験に必要な実験試薬や、マイクロRNAが制御する遺伝子を同定するための試薬等を購入する予定である。また、研究成果の発表も積極的に行う。
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Research Products
(2 results)