2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of spermatogenesis method using testicular tissue culture method
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16K20215
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
吉岡 伸人 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (10468928)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | IVA / 精子形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
不妊症の約半数は男性因子であり、男性不妊の約90%が造精機能障害といわれている。精子形成にはPI3K/Aktシグナルが必須であるが、その分子機構には不明な点が多い。最近申請者らは、早発閉経患者の残存原始卵胞におけるPI3K/Aktシグナルの活性化により卵胞発育を再生し、患者の妊娠・分娩に成功した。本研究では、造精機能障害患者の残存精原細胞のPI3K/Aktシグナルの活性化を行うことで精子形成を再生し、造精機能障害に対する新たな男性不妊の治療法を開発することを最終目的とした。 今年度は昨年度から引き続き、精巣組織の体外培養でPI3K/Aktシグナルの活性化により得られた精子の機能と正常性の検証をマウスでなくヒト検体を用いて行った。 非閉塞性無精子症患者の精巣組織におけるPI3K/Aktシグナル活性化を用いた精子形成の誘導と得られた精子の機能解析および正常性の検証 :昨年度に行ったマウスを用いてPI3K/Aktシグナル活性化による精子形成のプロトコールを用いて培養を行った。非閉塞性無精子症患者のMD-TESE時に余剰となり廃棄する精巣組織を用いて、組織培養下にPI3K/Aktシグナルを活性化させ、精子形成誘導の有無について調べた。同意の得られた非閉塞性無精子症患者の精巣組織を、マウスを用いて至適化した培養条件で740YPおよびbpVを添加培養した。PI3K/Aktシグナル活性化の状態をリン酸化Aktの発現量変化増加(ウェスタンブロッティング)、PI3K/Aktシグナルの下流因子(サイクリンD1, 2, 3)の発現増加(ウェスタンブロッテイング、定量的PCR)で確認した。さらに、培養後の精子形成と各発生段階の生殖細胞の存在をマウスと同様の方法で確認する。非閉塞性無精子症患者では疾患の原因が多岐にわたるために、活性化する患者もいれば活性化しない患者もいることを明らかにした。
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