2016 Fiscal Year Research-status Report
脂肪組織由来幹細胞を用いた効率的な卵巣組織移植法の開発
Project/Area Number |
16K20216
|
Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
高江 正道 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (00621301)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 卵巣移植 / 脂肪幹細胞 / 卵巣予備能 / 光干渉断層計 |
Outline of Annual Research Achievements |
脂肪幹細胞を用いた効率的な卵巣移植法の開発をおこなうため、脂肪幹細胞の抽出実験にとりかかっている。また実験計画を再考した結果、先に提出した評価方法では卵巣組織の効率を充分に検証できないと判断し、光干渉断層計を用いた卵巣組織の評価方法に着目した。光干渉断層計は、高解像度の画像検査方法であり、組織学的検査に必要な固定や包埋などの過程を必要としないことから、卵巣移植前後で卵巣組織内の卵胞数を評価し得ると考えた。我々は、既に本法に関する知見を英文誌に公表し、マウス卵巣移植において本法が有効であることを示した(Sci Rep. 2017 Mar 8;7:43550.)。また本研究費を用い、ヒト卵巣でも光干渉断層計が有効に使用できるかを検証し、現在論文投稿中である。今後は、光干渉断層計を主な評価方法の手段として組み入れ、当初の目的であった脂肪幹細胞の有効性と、それを用いたより効率的な卵巣移植方法を開発する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究をすすめるにあたり、評価方法の再検討から始めたため、脂肪幹細胞の効果そのものの実験には至っていない。そのため、若干の遅延が生じているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、光干渉断層計による卵巣組織評価方法も用いながら、卵巣組織移植における脂肪幹細胞の効果および、より効果的な卵巣移植方法の開発を行う。
|
Causes of Carryover |
本年度は研究をおこなうにあたり、新しい卵巣移植の効果判定法(光鑑賞断層計)の確立から開始した。光干渉断層計の機器の使用に関しては機器を持つ会社(東京都)でレンタルして使用するため、常時使用できるわけではなく、そのために実験が遅れたことが理由と考えられる。また、光干渉断層計を用いた卵巣組織の評価法も新しい試みであり、本研究から派生した知見であるものの論文化し得るものであったため、本来の実験が遅れたと考えられる。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
光干渉断層計による卵巣組織の評価方法は我々の研究成果によって確立された。次年度は、本法を用いて脂肪幹細胞の有効性を検証してゆく。
|