2017 Fiscal Year Research-status Report
ヒト子宮筋腫組織皮下移植マウスモデル作成とデコリンによる非ホルモン治療の開発
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16K20219
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
鈴木 裕介 大阪医科大学, 医学部, 助教 (90770925)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 子宮筋腫 / マウスモデル / GnRHアゴニスト / エストロゲン / プロゲステロン |
Outline of Annual Research Achievements |
(目的)子宮筋腫に対する適切な動物モデルを作成するために、ヒト平滑筋腫のための新たな簡単なマウスモデルの開発を試みた。 (方法)平滑筋腫組織を、ゴナドトロピン放出ホルモンアゴニスト(GnRHa)処理の有無にかかわらず、異なる外科手術によって切除した筋腫から採取し、エストラジオール/プロゲステロン放出ペレットを用いてBALB / cヌードマウスに皮下移植した。移植組織の生着と成長の検討;移植から8週間経過後に筋腫組織を摘出し、HE染色で組織学的検討を行い、平滑筋の同定のため抗SMαアクチン抗体、Ki67抗体による免疫染色を行った。さらに、腫瘍の重量を測定し、移植時の組織片の重量と比較し、マウスへの移植後の筋腫組織の増大の有無を検討した。また、エストロゲンおよびプロゲステロン依存性を確認するために、移植後1か月経過したマウスモデルから子宮筋腫塊を摘出し、抗エストロゲンレセプター(ER)α抗体および抗プロゲステロンレセプター(PR)抗体による傾向免疫染色を行い、各レセプターの有無を移植後の組織片で調べた。 (結果)GnRHa処置による腹部筋腫切除により切除された大きな筋腫の周辺部位から得られた移植された平滑筋腫組織は、移植されたマウスにおいて十分な腫瘍増殖を示した。 GnRHaで処置した平滑筋腫は、エストロゲン/プロゲステロン受容体遺伝子、インスリン様増殖因子2(IGF2)および胚平滑筋ミオシン重鎖(SMemb)を高度に発現し、平滑筋腫の増殖を促進することが判明し、マウスモデルの確立には有用な結果と考えられた。このモデルは新しい治療戦略の開発に有用である。 成果は論文へ投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト子宮筋腫組織皮下移植マウスモデル作成は成功したが、デコリンを用いた非ホルモン治療の開発の研究結果が出ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト子宮筋腫組織皮下移植マウスモデル作成は成功したので、同モデルマウスを用いて、デコリンを用いた非ホルモン治療の開発の研究結果が出ていないため、ヒト子宮筋腫組織皮下移植マウスを用いて、デコリンを用いた移植筋腫の縮小の有無を調べていく予定である。
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