2017 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍免疫の解析による頭頸部癌cetuximab療法の効果予測と効果増強因子の検索
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16K20228
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山崎 一樹 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (00422238)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | cetuximab / ADCC |
Outline of Annual Research Achievements |
進行期頭頸部扁平上皮癌におけるcetuximab 療法の登場は、頭頸部癌治療戦略に大きな前進をみせたものの、症例毎で治療効果に差が大きく、また、治療前の効果予測も非常に困難であるのが現状である。NK 細胞やNKT細胞をはじめとした免疫細胞の細胞数、細胞活性、細胞表面に発現する活性化分子、免疫チェックポイント分子、またregulatory T細胞やMDSC など免疫抑制細胞や免疫抑制性サイトカインのレベルなど様々な要因に影響を受け抑制されている可能性がある。本研究では、これら抗腫瘍免疫や免疫抑制因子とcetuximab の臨床効果を解析し、cetuximab の効果関連因子の探索、cetuximab の効果を増強する方法の探索を行うことを目的としている。 まずは、cetuximabが免疫細胞に与える影響を検討したところ、活性化した免疫細胞自体にEGFRが発現し、徐々に増加することがわかった。その中でもCD8T細胞やNK細胞ではERFRの発現増加が顕著であり、これらの抗腫瘍効果を発揮するはずの免疫細胞自体がcetuximabによる機能抑制を受けている可能性が推測された。また、regulatory T細胞はcetuximabとの共培養にて増幅が抑制されることが確認され、cetuximabの抗腫瘍効果発揮メカニズムにregulatory T細胞を介した機構が関わっている可能性が示唆された。現在、cetuximab治療症例における腫瘍微小環境でのregulatory T細胞やNK細胞の関わりにつき検討をすすめているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
セツキシマブ併用放射線治療前の頭頸部癌検体により,免疫細胞の組織学的検討やサイトカインの検討を行うことでセツキシマブ療法の効果予測と効果増強因子の検索を目的としていたが、症例の集積が予定より遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
cetuximabがTregやMDSCなどの免疫細胞に与える影響を検討することで、NK細胞やNKT細胞の活性を検討する。また、頭頸部扁平上皮癌症例の腫瘍より採取した検体を用いて、腫瘍微小環境に浸潤する免疫細胞を検討し、cetuximabの治療効果に与える影響を検討する。
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Causes of Carryover |
セツキシマブ併用放射線治療前の頭頸部癌検体により,免疫細胞の組織学的検討やサイトカインの検討を行うことでセツキシマブ療法の効果予測と効果増強因子の検索を目的としていたが、症例の集積が予定より遅延しているため、期間を延長しての症例集積と検討が必要な状態である。次年度予算は、症例集積と検討のための薬品を含む物品、実験器具の購入費用として費やされる予定である。
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