2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K20229
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
堅田 浩司 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (60596112)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 頭頸部癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々が頭頸部癌組織で発現の上昇を確認したplectinというタンパク質は頭頸部癌患者の予後に関与しているという結果を得た。plectinと癌化メカニズムとの関連を機能解析を行い調べたところ、plectinの発現が頭頸部癌細胞の増殖・有窓・浸潤に関与していることが解明された。そこで、今回の研究ではplectinが早期診断や予後マーカーとして使用できるように血清中の同定を試み、他の血清マーカー抗補についても機能解析を予定している。具体的には、ウエスタンブロットを用いたヒト血清中のplectin解析を行っている。まずは未処理の血清を使用し、健常人と下咽頭癌患者での発現をウエスタンブロットで確認したが、明らかな差は確認できなかった。そこで、アルブミン・IgG除去キットを使用して確認を行ったが、非特異的バンドが多く出て、目的のplectin特異的バンドは見られなかった。plectinの断片化ペプチドについては同定は難しく、解析は困難と考えられた。そこで、我々が同定した他の多くの頭頸部癌関連のタンパク質や遺伝子について、多方面からの解析を行い、頭頸部癌患者特有の血清マーカーを探索するために、機能解析を行っていく予定である。それぞれのタンパク質や遺伝子が疾患の発症や病態にどのように関与するかを詳細に解析するため、保有する頭頸部癌細胞株の中の最適なものへの遺伝子導入実験あるいは遺伝子破壊実験を行い細胞内で人為的に遺伝子(蛋白)の発現量を調節し、増殖・浸潤能などの悪性形質獲得あるいは喪失が見られるかを調べる。同様の実験は研究の学術的背景にて述べたplectinの機能解析にて成功しており、新規マーカーが分子生物学的に頭頸部癌の性質にどのように関与しているかが検証可能であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ウエスタンブロットを用いたヒト血清中のplectin解析を行っている。まずは未処理の血清を使用し、健常人と下咽頭癌患者での発現をウエスタンブロットで確認したが、明らかな差は確認できなかった。そこで、アルブミン・IgG除去キットを使用して確認を行ったが、非特異的バンドが多く出て、目的のplectin特異的バンドは見られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは血清中のplectinの同定を試みて、ELISAキットにて多数の頭頸部癌患者血清での定量を行う。また、我々の研究で明らかになっている他の頭頸部癌患者に有意に差があるタンパク質や遺伝子についても、頭頸部癌細胞株を用いた機能解析(migrationまたはinvasion)を進め、論文作成を目指す。
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Causes of Carryover |
研究経過がやや遅れているため、試薬などの使用が限られた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度は別方面からのアプローチも考えており、試薬などの使用が予想される。
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