2018 Fiscal Year Research-status Report
MYH9異常症モデルマウスを用いた難聴発症メカニズムの検討
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16K20240
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 忠雄 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90567017)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | MYH9異常症モデルマウス / 内耳障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
メイーヘグリン異常に代表されるMYH9異常症は、非筋ミオシン重鎖IIA遺伝子であるMYH9変異により起こり、巨大血小板、血小板減少、顆粒球封入体を呈する。 貧血などの赤血球系統の異常の報告はなく、感音難聴を伴うことが知られている。我々は現在までに、ヒトMYH9異常症症例、特にR702C変異症例での低ヘモグロビン値、低ヘマトクリット値を報告した。また、R702C変異を持つノックインマウスの作製を行い、ヒトMYH9異常症に極めて類似した特徴(表現型)を持つことを確認している。この研究では特にMYH9異常症が感音難聴を呈することに着目し、その内耳での病態を解明することが目的である。 MYH9異常症モデルマウスは胎児死亡が多く、精子の働きに異常をもつためか妊娠成立率が非常に悪い。さらに平均寿命が20-30週齢と短命であることから、系統維持が非常に困難である。効率的に必要個体を得るためには自然交配だけでなく、体外受精が必要となる。そのためCre/loxPを中心としたコンディショナルノックインマウスを作成し、全身性に発現させたR702Cノックインマウスで用いたターゲッティングベクターを作製し、内耳組織にCre-リコンビナーゼを発現するマウスと交配し、組織特異的にR702C+/-を発現させる。さらにC57BL/6jマウスと交配を繰り返し、遺伝的に均一した上で実験に使用する。ホモマウスにおいてABRの結果からは難聴を生じる個体とそうでない個体が存在することが明らかになった。また免疫染色では遺伝子の発現部位が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子改変マウスの使用許可、Cre-リコンビナーゼを発現するマウスの選定を行い動物実験計画の承認を得た。得られた産駒のABR測定を行った。免疫染色を行ったが、さらに詳細な解析が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
ABR結果の解析を行う。発現部位および活性の検討を免疫組織染色法にて行う。成マウスにおいて免疫組織で検討できる以外の内耳組織の変化を検討する。有毛細胞の変化については電子顕微鏡を用いて検討する。追加で免疫染色を行う。
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Causes of Carryover |
免疫染色の結果が当初の予測と異なっていたため研究計画から追加して、免疫染色の抗体の変更、電顕でのより詳細な観察が必要となったため。抗体や免疫染色の発注を計画している。
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