2017 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部癌に対する腫瘍溶解性ウィルス療法導入のための基礎的研究
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16K20254
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
山内 盛泰 佐賀大学, 医学部, 助教 (30572838)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 頭頸部癌 / 腫瘍溶解性ウィルス / coxsackievirus B3 |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部癌に対する腫瘍溶解性ウィルス治療導入の基礎的な検討を行うため、頭頸部癌細胞株を用いて実験を行った。頭頸部癌細胞株としてはHSC-2, HSC-3, HSC-4を用い、ウィルスとしてはCoxsackievirus B3ウィルス(CVB3)を用いた。 まず、ウィルスが細胞株に感染可能かどうかを確認するために、CVB3受容体である、coxsackievirus and adenovirus receptor (CAR)およびCD55 (DAF)の頭頸部癌細胞株上の発現をFACSを用いて検討した。HSC-2, HSC-3, HSC-4いずれの細胞株においても、CAR、DAF の発現が確認された。 次に、ウィルス感染により頭頸部癌細胞株の細胞死がみられるかを確認するために、ウィルス感染による細胞死をCrystal Violet染色法にて検討した。ウィルスのtiter依存的に細胞死が誘導されることが確認された。HSC-4で最も効果的な細胞死の誘導がみられ、HSC-2とHSC-3では非常に弱い細胞死の誘導がみられた。細胞死の誘導の程度とCAR、DAFの発現の程度との相関はみられなかった。 さらに、MTS assayにてウィルス感染の時間依存的に頭頚部細胞株の細胞死が誘導されていることが確認された。HSC-4で最も効果的な細胞死の誘導がみられ、HSC-2では中等度の、HSC-3では弱い細胞死の誘導がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物実験を行う予定だが、まだ行えていないため。当初、共同研究者である九州大学ゲノム病態学分野研究室(谷憲三郎教授)が東京大学医科学研究所に移動となり、研究室セットアップのため動物実験が行えない状態であった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の所属施設ではマウスに対する腫瘍溶解性ウィルス投与が行えないため、九州大学腫瘍制御学分野(緒方久修博士)との共同研究でマウス移植モデル実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究の遅れによって使用予定の物品、旅費、その他の支出が一部行われなかったために次年度使用額が生じた。次年度に研究を遂行するために使用予定。
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