2016 Fiscal Year Research-status Report
鼻咽腔粘膜における好中球機能とTLR4およびTREM-1の協調的作用について
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16K20260
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
森山 宗仁 大分大学, 医学部, 客員研究員 (60769834)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | TREM-1 / TLR4 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然免疫の中心的役割を担う好中球におけるTriggering receptor expressed on myeloid cells (TREM-1)はToll-like recepter4(TLR4)と協調的に働くことにより、細菌の貪食能を含めた自然免疫応答を増強すると報告されており、上気道においても重要な役割を担っているものと推測される。今回、鼻咽腔におけるインフルエンザ菌に対する局所粘膜免疫応答につき、TREM-1およびTLR4を中心として細胞生物学的および分子生物学的手法を用いて解析を行った。 TLR4 wild typeであるC3H/HeNマウスおよびTLR4 mutant C3H/HeJマウスを用い,インフルエンザ菌を鼻腔投与後6, 12, 24, 72hrにマウス鼻咽腔洗浄液を採取し、インフルエンザ菌生菌数を計測した。またFlowcytometryにより鼻咽腔に遊走して来た好中球数の発現強度を各マウスにおいて解析したところ、C3H/HeNマウスにおいては、インフルエンザ菌投与後、経時的に細菌数の低下を認め、C3H/HeJマウスと比較して細菌クリアランスの増加を認めた。また、鼻腔内に浸潤した好中球数については、C3H/HeNマウスにおいてC3H/HeJマウスと比較して明らかに浸潤数の増加を認めており、細菌クリアランスの増加に伴い減少した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インフルエンザ菌感染後ではTLR4 mutant C3H/HeJマウスは有意に細菌クリアランスが低下しており、鼻腔においてTLR4が細菌クリアランスに関係していることが推測された。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究でTLR4が細菌クリアランスに関係していることが推測されたため、今後は フローサイトメトリーにてTREM-1の発現強度を測定し、またRT-PCRにてTREM-1の定量的解析も行い、TLR4とTREM-1の関与を解析する。
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Causes of Carryover |
本年度行った実験に用いた試薬などは、研究室にあった在庫を用いたため新たに購入しなかった。国際学会についてはヨーロッパの情勢が不安定であり、参加・発表を見送った。また、マウス解剖・試料採取用のルーペ及びデータ解析用のパソコンは次年度購入予定としたため繰り越し額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
TREM-1測定・解析のために、TREM-1抗体などの各種試薬及びRT-PCR用の試薬キットを購入する。
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