2017 Fiscal Year Annual Research Report
Pathogenic mechanism of otitis media with ANCA associated vasculitis and development of a diagnostic algorithm for early diagnosis
Project/Area Number |
16K20262
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
立山 香織 大分大学, 医学部, 病院特任助教 (00771958)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ANCA関連血管炎 / 中耳炎 / 中耳貯留液 |
Outline of Annual Research Achievements |
ANCA(Antineutrophil cytoplasmic antibody)関連血管炎の発症には、上気道への細菌やウイルス感染が引き金となることや、再燃例に黄色ブドウ球菌キャリアが多いことが報告されている。ANCA関連血管炎性中耳炎(Otitis media with ANCA associated vasculitis; OMAAV)に関しても、中耳における感染が発症機序に関与していることが推察される。 本年度に予定していたANCA関連血管炎合併中耳炎モデルの作製と免疫組織学的解析に先立ち、OMAAVを惹起する起炎菌を明らかにする必要があると考えた。OMAAVの病態解明のため、発症トリガーに細菌感染が関与しているかどうか、どのような細菌が検出されるか、中耳貯留液中の細菌学的検討を行った。OMAAVおよび、成人滲出性中耳炎(コントロール群)より採取した中耳貯留液を検体として培養検査、及び上気道感染の原因となる細菌6種類(Streptococcus pneumoniae, Haemophilus influenza, Mycoplasma pneumoniae, Chlamydophila pneumoniae, Legionella pneumophila, Streptococcus pyogenes)とStaphilococcus aureusについて、RT-PCR (real time- polymerase chain reaction)を用いて検出した。その結果、PCRで1つ以上の細菌を検出した症例はOMAAV14例中12例(86%)、コントロール群は8例中2例(25%)、培養検査ではOMAAV7例中1例(14%)、コントロール群で4例中1例(25%)であった。OMAAVでは中耳への細菌感染が先行し、感染防御をきっかけに惹起された好中球の過剰活性化が自己免疫反応を引き起こしたと考えられた。
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