2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K20264
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
近藤 俊輔 琉球大学, 医学部附属病院, 医員 (90596363)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | HPV / 頭頸部癌 / 分子標的治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部癌発症に関与する因子として、アルコール摂取、喫煙に加えウィルス感染が知られている。ウィルス感染ではEBウイルスに加え,ヒト乳頭腫ウィルス(以下HPVと省略)が子宮頸癌と同じく、発がん因子として重要であることがわかってきた。特に中咽頭癌では高率にHPVが検出され,これらのHPV関連癌では喫煙やアルコールと異なる発癌機構を持つことがわかってきた。HPV関連頭頸部癌は疾患予後が良好なことから治療強度を落としたde-escalation study が進行中であるが,実臨床ではHPV関連頭頸部癌とその他の頭頸部癌を区別せず同様の治療が行われている。本研究ではHPV関連頭頸部癌に対する新規標的分子を同定し、最終的により低侵襲な治療法を開発することを目的とする。本年度は主に細胞株を用いた研究を行った.概要は以下に示す. 1)ハイリスク型HPV陽性中咽頭癌細胞株であるUMSCC047、HPV陽性子宮頸癌細胞株であるCaSki、ハイリスク型HPV陰性頭頸部癌細胞株であるSAS、SCC4を用いて検証を行った。 PI3K/Akt/mTOR経路、Ras/Raf/MAPK経路の各種阻害剤を使用し、WST-1 assayにてハイリスク型HPV陽性細胞株、陰性細胞株の細胞増殖を比較検討した.PI3K/Akt/mTOR経路の一部阻害剤にて細胞増殖に差を認めた. 2)PI3K/Akt/mTOR経路での各種阻害剤の標的となる分子に関してWestern blot法で蛋白レベルでの解析を行い、細胞間で差が認められた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画ではある程度標的分子を絞るのが目的であった.細胞株レベルではあるが、本年度の研究で標的分子は絞れてきており、おおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
1)WST-1 assayにて細胞増殖の抑制が得られた阻害剤に関して、アポトーシス誘導性試験(Annexin Ⅴ試験)による評価、かつ細胞周期解析で抗腫瘍活性を評価する. 2)当科で保存している、癌組織検体を用いて標的分子の評価を行う.
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Causes of Carryover |
各種細胞実験にて予想していたより実験試薬の使用が少なくて済んだ。また次年度の実験に際し、高額機器の購入を予定しているため、あえて試薬の使用を抑えた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験試薬以外に高額機器の購入を予定している。
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