2016 Fiscal Year Research-status Report
嗅神経鞘細胞と生体吸収性ハイドロゲルを用いた顔面神経麻痺モデルマウスへの効果
Project/Area Number |
16K20270
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
勝見 さち代 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (60625565)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 嗅粘膜由来幹細胞 / 顔面神経麻痺 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでの研究で、鼻粘膜より採取した組織幹細胞に着目し、神経再生を目指してきた。日齢0-1日マウスの嗅粘膜を採取し、洗浄、細断後にメッシュに通して単細胞とした。得られた細胞をEGF、bFGF、B27を添加した培養液で培養することにより、1-2週間で細胞塊が得られた。これらの細胞は神経幹細胞マーカーNestin、Musashi-1を発現すること、分化誘導で神経細胞マーカーGFAP、b-tublin、GalC、を発現することにより、神経幹細胞様の性質を持つ嗅粘膜由来幹細胞であると考えられた。 次に、培養上清中の蛋白を網羅的に解析してこの細胞が発現する神経栄養因子、成長因子、サイトカインを探索したところ、神経成長因子 (NGF) 、ガレクチン1 (galectin-1)、Growth-arrest specific 1、インスリン様成長因子結合蛋白2、インスリン様成長因子結合蛋白3 (IGF-BP2、IGF-BP3) 等の発現が認められた。 この細胞をマウスに移植するにあたって、徐放性ハイドロゲルであるMedgelを用いた。まずマウス耳下腺の下層で顔面神経本幹を露出し、圧挫することにより顔面神経麻痺モデルマウスを作成した。マウスを4群にわけ、コントロール群、Medgel群、幹細胞群、幹細胞+Medgel群の4群にわけ顔面神経麻痺の回復経過を観察した。顔面神経麻痺の回復は、幹細胞+Medgel群において最も顕著であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね予定通りの実験を終えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、電気生理学的、組織学的に顔面神経麻痺の回復を確認する予定である。また移植した細胞を追跡して、何日まで生存可能であるか検討する予定である。
|
Causes of Carryover |
すでに購入した物品を利用したため、消耗品を必要としなかった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は無血清サプリメントB27、上皮成長因子 (EGF)、塩基性線維芽細胞成長因子 (bFGF) の購入が必要であり、消耗品の必要額の増加が予想される。
|