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2016 Fiscal Year Research-status Report

COX-2による頭頸部癌幹細胞形質の制御機構の解明と薬剤耐性克服に向けた研究

Research Project

Project/Area Number 16K20275
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

齋藤 真  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (80594522)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywords頭頸部癌 / がん幹細胞 / COX-2
Outline of Annual Research Achievements

1)選択的COX-2阻害薬によるstemness property制御機構の検討
頭頸部扁平上皮癌細胞株(FaDuとDetroit562)を用いて、選択的COX-2阻害薬であるcelecoxibの負荷試験を行い、がん幹細胞関連遺伝子(Oct3/4、Nanog、Sox-2)の発現量を確認した。DMSOを基準とした場合、celecoxib投与によりいずれの細胞株でも経時的に発現量が減少する傾向にあることを確認した。また、COX-2により生成されるPGE2の受容体の一つであるEP2のantagonistを用いて同様の負荷試験を行ったところ、同様にがん幹細胞関連遺伝子の発現低下を確認し、COX-2の下流の複数のpathwayの中で重要な役割を担っていることが予想された。
2)選択的COX-2阻害薬による薬剤感受性への影響の評価及びstemness propertyの関与の検討
頭頸部癌治療における重要薬剤である、docetaxelの感受性における選択的COX-2阻害薬の効果について評価した。頭頸部癌細胞株(FaDu,Detroit562)を用いてdocetaxelの薬剤感受性テストを行い、MTSアッセイを用いて細胞生存曲線を作成した。celecoxib+docetaxelで同様の薬剤感受性評価を行ったところ、いずれの細胞株でも生存曲線の左方移動を確認でき、celecoxibの薬剤感受性への影響が推測された。
さらに超低接着表面プレートを用いて、Anchorage independentの細胞増殖能を確認したところ、FaDuでは0.1%DMSOのみに比して、celecoxib負荷でsphere formationが阻害されることが確認され、COX-2阻害薬のstemness propertyへの効果が推測された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初使用する予定であったcisplatinが不安定であったため、docetaxelへ薬剤の変更を行ったこと、途中で細胞のcontaminationがあり、実験が一時的にstopしたこと等が主な要因である。

Strategy for Future Research Activity

1)頭頸部扁平上皮癌細胞株を用いて抗癌剤耐性細胞株を作成する。
docetaxelに対して、段階増量法にて耐性株を作成しに対して作成する。抗癌剤耐性株におけるOct 3/4やNanog, Sox2といったがん幹細胞関連遺伝子の発現量の変化について遺伝子および蛋白レベルで評価する。耐性株を用いて、docetaxel単剤投与、docetaxel+celecoxibでの細胞の生存率・増殖能の変化を比較する。また薬剤投与後の細胞から遺伝子・蛋白を抽出し、がん幹細胞関連遺伝子の発現について評価する。
2)がん幹細胞関連遺伝子を強制発現させた頭頸部癌細胞株の作成と抗癌剤耐性の評価
Gateway technology(Thermo Fisher Scientific, USA)を用いてlentivirusベースで頭頸部癌細胞にがん幹細胞関連遺伝子(Nanog; Clone ID IOH40377, Oct3/4, Sox2; IOH13706など)を恒常的に強制発現させる。これらの細胞におけるCOX-2阻害薬の効果について検討を行う。docetaxel単独投与時と選択的COX-2阻害薬併用時の薬剤感受性を評価する。
3)in vivo xenograft modelを用いたCOX-2阻害薬の効果の検討
上記で作成されたがん幹細胞関連遺伝子強制発現細胞をヌードマウス背部皮下に移植し、xenograft modelを作成する。選択的COX-2阻害薬、docetaxel、両者の併用投与、コントロールの4群(各群10匹)に分け、抗腫瘍効果について解析を行う。またそれぞれの治療群において、治療後の腫瘍を摘出し、がん幹細胞関連遺伝子の発現について、蛋白レベル、遺伝子レベルで評価し、選択的COX-2阻害薬がstemness propertyへ与える影響についてin vivoで評価する

Causes of Carryover

学会発表を予定していたが、発表できるデータがそろわず、旅費としての使用がなかったことが主な原因です。

Expenditure Plan for Carryover Budget

本年度は国内および国外の学会での報告を予定しており、主に次年度の旅費として使用する見込みである。

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Published: 2018-01-16  

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