2018 Fiscal Year Annual Research Report
Association of COX-2 expression and chemoresistance through cancer stem property in head and neck squamous cell carcinoma
Project/Area Number |
16K20275
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
齋藤 真 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (80594522)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | がん幹細胞 / 頭頸部扁平上皮癌 / COX-2阻害薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)COX-2阻害薬の下流の効果的な標的分子の同定 これまでの研究で我々はCOX-2阻害薬が頭頸部癌においてもがん幹細胞形質の抑制に有効であることを確認してきた。しかしながら、COX-2阻害薬はアラキドン酸カスケードの下流の様々なターゲットに影響を及ぼすことが知られており、どの分子が実際に薬剤耐性やがん幹細胞形質の維持に関わっているかはまだ解明されていない。COX-2より下流でその分子をターゲットにできれば、COX-2阻害薬よりも効果的な治療に結び付けられると考えている。そのためにこれまでCOX-2阻害薬を用いて行ってきた実験をより下流の分子に対するantagonistを用いて行った。具体的には、プロスタグランジンE2の受容体であるEP受容体の1-4に対する阻害薬を用いて、mRNAレベルでの遺伝子発現の変化、docetaxelに対する薬剤感受性の変化、anchorage independentな増殖能の変化を確認した。その結果、EP2受容体阻害薬が非常に効果的であることが分かった。咽頭癌細胞株にEP2阻害薬を投与することで、mRNAレベルでoctやnanogといった幹細胞関連遺伝子発現が低下し、さらにはdocetaxelに対する感受性が向上し、sphere foramationも抑制できた。つまり、COX-2阻害薬の作用の中でも、EP2受容体阻害ががん幹細胞形質の抑制にはもっとも効果的である可能性が示唆された。
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