2018 Fiscal Year Research-status Report
術中蛍光イメージングを用いた頭頸部癌ナビゲーションサージャリーの確立
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16K20279
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
大峡 慎一 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20549274)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 経口的切除 / 低侵襲手術 |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部癌に対する外科的治療は確実な腫瘍摘出と臓器機能温存の両者を達成することが理想であり、低侵襲手術の一つとして経口的内視鏡手術が発展してきた。 本研究は腫瘍の可視化により安全域をぎりぎりまで少なくし腫瘍を確実にかつ機能温存も達成することを目 標としている。本年度は現状の内視鏡手術の術式お よび摘出検体の検討を行うとともに、マウスを用いた実験を行う整備、準備を行うことになった。 頭頸部癌内視鏡手術は2016年4月から32件行われ、それぞれの 患者背景、術前術後の機能(特に嚥下機能、構音機能) を評価した。さらに摘出検体の病理学的評価、現状での安全域の確認を行った。安全域を評価したところ、水平断端が陽性になった症例は1例のみであったが、深部断端が陽性であった症例は5例存在した。水平断端の設定はルゴール染色とNBIを用いて行っているが、深部断端の設定は通常の内視鏡下の所見により設定しているが、ICGによる腫瘍の可視化が可能になれば、より断端の陰性率は上がることになる。しかし内視鏡下経口切除の欠点は視野が得られにくいことと、ワーキングスペースの確保が困難であることである。現在佐藤式彎曲型喉頭鏡やFKretractorなどが実臨床にて用いられているが、より確実にかつ中咽頭から下咽頭、喉頭と全体が展開できる開口器も開発する必要がある。当初の腫瘍可視化の実現に加えて、より大きく視野が得られるdeviceの開発も行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画書に記載している動物実験に関して、実行が遅れている。動物の扱いと発癌モデルについてはおおむね確立したものとなった。今後倫理面と研究時間および研究者(研究協力者)の確保ができれば順調に進むものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在臨床にて使用可能であるインドシアニングリーンにて咽頭後リンパ節(ルビエールリンパ節)摘出時の口腔内からの局在確認を行っている。癌に特異的な マーカーを付与することで、より感度、特異度ともに向上させることが可能になる。安全性を実証するために倫理面に配慮して動物実験にて確認するとともに、今後の実臨床においてより確実にかつ広く視野が得られる開口器の開発に加え、今後導入されるロボット手術含めて応用可能になることが期待される。
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Causes of Carryover |
研究若干の遅れ、変更が生じて消耗品、備品の購入を見送った。 実験に必要な器具類の購入と成果発表のための旅費、論文投稿料に使用する。
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Research Products
(8 results)