2016 Fiscal Year Research-status Report
CD271による下咽頭がん増殖胞制御機構の解明と標的治療への応用
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16K20290
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Research Institution | Miyagi Prefectural Hospital Organization Miyagi Cancer Center |
Principal Investigator |
望月 麻衣 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 研究技師 (40726303)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | CD271 / 下咽頭癌 / 細胞周期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、下咽頭がん幹細胞マーカーであるCD271が下咽頭がんに果たす機能の解明と、CD271を標的とした治療法の開発に取り組む。(1)増殖への影響を検討するため、下咽頭がん細胞株でCD271のノックダウンを行ったところ、増殖能・造腫瘍能が顕著に減少した。このことから、CD271は下咽頭癌において強く増殖の制御に関与していることが示唆された。(2)更に増殖の制御について詳細に調べるため、CD271ノックダウン細胞について細胞周期を解析した。結果、CD271ノックダウン細胞は静止期であるG0期の割合が顕著に増加していた。CD271はその下流に増殖シグナルであるErk,Akt,NfkBのシグナル経路を持つことが知られているが、変動は軽微であった。この結果から、CD271は下咽頭がんにおいて既知のシグナル以外にも増殖を制御する経路を有していることが示唆された。(3)新規の増殖制御経路を探索するため、CD271ノックダウン細胞をマイクロアレイ解析に供した。その結果、CD271ノックダウン細胞では静止期の維持に関与するCDKN1C分子の発現が上昇することが判明した。これら(1)-(3)の結果から、CD271は下咽頭癌の増殖を強く制御することが示唆された。(4)CD271は下咽頭がんにおいて浸潤部に強く発現する。このことから、CD271は下咽頭癌の浸潤にも関与すると考えられる。これを検証するため、CD271をノックダウンした細胞を移動能試験に供した。結果、CD271ノックダウン細胞では強く移動能が抑制されることが判明した。これらの結果から、CD271は下咽頭がんにおいて複数の下流経路により、がんの浸潤・造腫瘍能を制御することが示唆された。これらの結果をもとに、現在CD271リガンド及びシグナル阻害薬を用いた増殖試験、及びCD271阻害抗体の作成を進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の細胞株でCD271下流増殖シグナル経路の解析を進めている。 マウスを用いたCD271抗体産生のハイブリドーマ作成も順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り進める。
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Causes of Carryover |
超免疫不全マウスを用いた解析に時間を要するため。 また、抗体産生ハイブリドーマ作成のバリエーションを増やすため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
抗体・試薬・消耗品及びマウス購入に充てる
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[Journal Article] CD271 regulates the proliferation and motility of hypopharyngeal cancer cells.2016
Author(s)
Mochizuki M, Tamai K, Imai T, Sugawara S, Ogama N, Nakamura M, Matsuura K, Yamaguchi K, Satoh K, Sato I, Motohashi H, Sugamura K, Tanaka N.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 6
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Xenotransplantation elicits salient tumorigenicity of adult T-cell leukemia-derived cells via aberrant AKT activation.2016
Author(s)
Yamaguchi K, Takanashi T, Nasu K, Tamai K, Mochizuki M, Satoh I, Ine S, Sasaki O, Satoh K, Tanaka N, Harigae H, Sugamura K.
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Journal Title
Cancer Sci.
Volume: 107(5)
Pages: 638-643
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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