2016 Fiscal Year Research-status Report
非膨潤性ハイドロゲルを眼内タンポナーデとして用いた網膜剥離手術の検討
Project/Area Number |
16K20303
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
星 崇仁 筑波大学, 医学医療系, 講師 (10757892)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 眼内タンポナーデ / 人工硝子体 / 眼毒性 / ハイドロゲル |
Outline of Annual Research Achievements |
非膨潤性ハイドロゲルの眼毒性の検証を行なった。有色家兎に硝子体手術を施行し、非膨潤性ハイドロゲルを注入し、術後6ヶ月まで観察を行なった。術後の炎症は許容範囲内で眼圧上昇は認めず、ハイドロゲルの混濁もなかった。光干渉断層計及び組織学的評価では網膜構造の異常は見られなかった。網膜電図を用いた網膜機能評価でも明らかな異常はなかった。これにより、我々が用いた非膨潤性ハイドロゲルは眼内タンポナーデ材料として安全に使用できることが確認された。我々が初めに用いた非膨潤性ハイドロゲルは長期滞留性の材料であるが、臨床応用を念頭に、適切な分解時期の設定が必要と考えられたため、引き続き、分解性非膨潤性ハイドロゲルの作製、及びその眼内タンポナーデ材料としての安全性の検討を行なった。分解時期は1から3ヶ月程度を目標とした。有色家兎に硝子体手術を施行し、分解性非膨潤性ハイドロゲルを注入し、術後4ヶ月まで観察を行なった。術後、中等度から高度の眼内炎症を認め、多くの症例でハイドロゲルと残存硝子体界面に混濁を認めた。組織学的評価は高度の炎症細胞浸潤を認めた。この結果から、分解性ハイドロゲルは眼内タンポナーデ材料として不適であると考えられた。原因としては分解性を持たせるために、物質の組成を変更したこと、物質の組成の変更に伴い一部滅菌方法に変更があったことなどが考えられた。臨床応用に際しては一定期間で分解するハイドロゲルが望ましく、29年度も引き続き分解性ハイドロゲルの再作製、再評価を行うこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の長期滞留性非膨潤性ハイドロゲルの安全性に関する検証は、計画通りに遂行できた。 加えて、分解性非膨潤性ハイドロゲルの作製に取り組み、物質の改良を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
実験計画に従い、非膨潤性ハイドロゲルを用いた網膜剥離手術の有効性、安全性の検証を行う。 合わせて、分解性非膨潤性ハイドロゲルの改良を行い、眼炎症、混濁を抑えた材料の開発を目指す。
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Research Products
(1 results)