2018 Fiscal Year Research-status Report
ヒトマイボーム腺の形態機能研究および機能不全モデルウサギを用いた新規治療の探求
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16K20306
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
白川 理香 東京大学, 医学部附属病院, 登録診療員 (30770490)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マイボーム腺 / 眼瞼 / 瞼板 / ドライアイ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度も引き続き臨床研究で眼瞼下垂手術前後のヒトの瞼板およびマイボーム腺形態について観察研究を行った。 眼瞼下垂症に対する挙筋腱膜縫着術の眼瞼およびマイボーム腺に対する影響について調査した。31例47眼(男性 5例、女性26例、平均年齢74.3歳±9.0歳)の術前、術後6か月の瞼縁角膜反射間距離(mm)、瞼裂高(mm)、上下マイボスコアおよび術後6か月での上眼瞼翻転の可・不可および翻転時の瞼板形態を記録した。結果は術前と術後6か月を比較すると瞼縁角膜反射間距離、瞼裂高は有意に増加した。術後19%が上眼瞼翻転不可になり、術後55%が上眼瞼翻転時に瞼板のひきつれを生じた。術前後でマイボスコアに変化を認めなかった。以上より眼瞼下垂症手術で瞼板に通糸を行ってもマイボーム腺の形態変化は起きない可能性が示唆された。また術後上眼瞼の翻転が不可能になる症例があり、注意を要することが分かった。(日本眼科学会2018、ARVO2018で発表) また、緑内障手術後濾過胞を有する眼に対する眼瞼下垂症手術についての安全性、有効性についても検討した。18名19眼を観察し、眼瞼下垂症手術後1,3,6カ月の時点で瞼縁角膜反射間距離、瞼裂高は術前と比較して有意に改善し、術後眼圧上昇を認めず、濾過胞関連の合併症も認めなかったことより、濾過胞を有する眼瞼下垂症において挙筋腱膜縫着術は有効かつ安全に施行できることが示唆された。(日本眼科学会2018、ARVO2018で発表、日本眼科学会雑誌に論文掲載)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ収集、解析は終了しているが論文発表まで至っていないプロジェクトがあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は達成可能な臨床研究に絞りデータ収集、解析、学会発表、論文発表を行っていく。 また、症例数を増やし術前後の眼表面面積の増加に伴う眼表面状態の変化について検討し、眼瞼下垂に対する手術治療の最適化の指標の構築を目指す。 手術件数、マンパワーが順調に増えており効率的なデータ収集が見込まれる。
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Causes of Carryover |
今年度は観察臨床研究を中心に行ったので物品費が多くかからなかったため。 次年度には地方学会参加と論文校正、掲載料などが発生する予定である。
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Research Products
(6 results)