2017 Fiscal Year Research-status Report
アカントアメーバ角膜炎の超早期診断法の開発と発症機序の解明
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16K20310
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
森 奈津子 金沢大学, 医学系, 助教 (80768747)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アカントアメーバ / アカントアメーバ角膜炎 / 放射状角膜神経炎 / レーザー生体共焦点顕微鏡 / 前眼部光干渉断層計 |
Outline of Annual Research Achievements |
アカントアメーバ角膜炎は比較的稀な疾患であるが、失明にまで至る難治性角膜感染症である。コンタクトレンズ使用の低年齢化や、カラーコンタクトレンズ使用の増加に伴い近年増加傾向にあり、社会的な問題となりつつある。本症は早期診断が難しく治療に抵抗し、若年例での失明症例も増加していることから、本症の早期診断と治療法の開発は急務である。 研究の目的は、アカントアメーバ角膜炎の早期診断を目指した最適な画像診断法(レーザー共焦点顕微鏡や前眼部光干渉断層計(OCT)など)の探索が第一目標である。さらに、PCRを用いた血清学的診断法の本症における有用性を画像診断法と比較検討する。 本年度も他疾患と誤診され治療されていたアカントアメーバ角膜炎症例が追加された。アカントアメーバ角膜炎症例の追加に対し、レーザー生体共焦点顕微鏡、前眼部光干渉断層計、PCR各検査データを集めた。また、偽樹枝状角膜炎と放射状角膜神経炎をレーザー共焦点顕微鏡、前眼部光干渉断層計(OCT)を用いて解析した。 ついで、アカントアメーバ角膜炎の治療前と治療後での角膜波面収差データを集めた。いずれも今後、症例数を増やし解析予定である。 さらに、前年度に引き続き、抗がん剤の抗アカントアメーバ作用評価(抗シスト効果)について追加実験、さらにアカントアメーバ角膜炎ウサギモデルでの抗アカントアメーバ作用評価の予定であったが、こちらにまで手が回らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
自身の体調不良により計画していた実験が思うように進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はアカントアメーバ角膜炎のウサギモデルを作製し、抗がん剤の抗アカントアメーバ作用評価を行う。 また、アカントアメーバ角膜炎患者の症例数増加に伴い、随時前眼部光干渉断層計(OCT)を用いたアカントアメーバ角膜炎症例における2次元・3次元構造の解析や他覚的・自覚的視機能の解析を行う。
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Causes of Carryover |
(理由) 体調不良により実験が計画通りに進まなかったため、次年度使用額が生じました。 (使用計画) 次年度に予定している実験と作成する英文論文の校閲代金として使用する予定である。
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