2017 Fiscal Year Research-status Report
網膜神経節細胞のミトコンドリア動態と細胞死誘導機構の相関性解明とその臨床応用
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16K20311
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
三宅 誠司 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (50572765)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 網膜神経節細胞 / 軸索輸送 / 軸索障害 / 酸性顆粒 / オートファジー / 細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
緑内障とオートファジーの関係は動物モデルを用いて進められている。しかし、遺伝子やタンパク質の発現変動、免疫組織化学などによる検証が中心であり、動的なアプローチによる解析は行われていない。そこで、ラット網膜より単離した網膜神経節細胞(RGC)を使用し、軸索障害によってオートファジー関連オルガネラが示す挙動をLysoTrackerで標識される酸性オルガネラの軸索輸送を指標として、ライブイメージングにより評価した。 3秒ごと3分間のタイムラプス撮影を行い、コルヒチンの添加前、および添加後6、24、72、120時間経過後の酸性オルガネラの軸索輸送をそのキモグラフから定量し、評価した。さらに、RGCが細胞死に至っている事をEthidium homodimer-1(EthD-1)により判定した。 合計27個のRGCの酸性オルガネラ(n=363)の輸送特性は、順行性(1.38%)・逆行性(90.4 %)・停止(7.99%)・fluttering(0.276%)であった。うち14個のRGCに軸索障害を誘導したところ、6時間後の輸送特性(n=236)は、順行性(0.424%)・逆行性(2.97%)・停止(95.8%)・fluttering(0.847%)となり、24時間後に全て停止した。72時間経過後には71.4%のRGCの軸索の断片化や、細胞体の収縮および消失が認められた。120時間後には残りのRGCがEthD-1陽性となった。13個の対象群では輸送動態に変化はなく、細胞死は起きなかった。 これらの結果から、オートファジー関連オルガネラの軸索輸送動態を特徴付けることが、RGCの細胞死に起因する緑内障だけではなく、種々の神経変性疾患の発症やその進行程度を定量するための有用なパラメーターとなることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
作製中本年度の実験の第一段階として設定した、正常状態および微小管重合阻害の影響について、一定の成果を得ることができたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
緑内障の発症機序には眼圧だけではなく、炎症や酸化ストレスの関与も示唆されている。そこで、様々なストレスを単離・精製した網膜神経節細胞に負荷し、軸索輸送機能が受ける影響を動的に検証する。負荷するストレスとして、TNFalpha、IL6などのサイトカイン、過酸化水素による酸化ストレス、グルタミン酸による興奮毒性等を予定している。また、これまでよりも1本の軸索を同定し易くする培養方法の確立も目指す。
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Causes of Carryover |
ストレス負荷に使用するための試薬を購入予定であったが、当初の予定を変更したため未使用金額が生じた。
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Research Products
(13 results)