2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the pathophysiological mechanism of AM-RAMP 2 system in retinal vein occlusion
Project/Area Number |
16K20312
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
家里 康弘 信州大学, 医学部附属病院, 助教 (00708357)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アドレノメデュリン / 網膜血管閉塞症 / RAMP2 |
Outline of Annual Research Achievements |
ローズベンガルの尾静脈への投与ではなく腹腔内投与を用いて安定的に作製可能な網膜中心静脈閉塞症の疾患モデルを確立した。そのモデルを用いて網膜血管の形態および血流評価をFITC-デキストランの投与による網膜フラットマウントおよびフルオレセイン蛍光眼底造影検査でAngio Toolを用いて行った。その結果として網膜中心静脈閉塞症モデルにおいて網膜血管が顕著に閉塞して処置1日目には主要血管の血流もほぼ認めないが、その後徐々に血流の再開を認め、処置3日目には腫瘍血管の一部、処置7日目には周辺部網膜を主体に細静動脈の血流も確認された。処置2日目における網膜における遺伝子発現をリアルタイムPCRで確認したところ、網膜中心静脈閉塞症モデルにおいてVEGF-A、炎症性サイトカインとともにアドレノメデュリンの有意な発現亢進を認めた。このことから網膜中心静脈閉塞症においてアドレノメデュリンが病態生理に関わっている可能性が考えられた。そこでアドレノメデュリンノックアウトマウスを用いて野生型マウスと比較評価を行ったところ、処置7日目でアドレノメデュリンノックアウトマウスにおいて網膜血管の血管密度および血流の減少傾向を認めた。そこで次に浸透圧ポンプを用いてアドレノメデュリンの持続皮下投与を行ったところ、網膜血管密度および血流の有意な改善を認めた。またアドレノメデュリンの受容体活性調節蛋白であるRAMP2ノックアウトマウスにおいてもアドレノメデュリンノックアウトマウスとほぼ同様の表現型を示した。このことから網膜血管閉塞症においてアドレノメデュリンが血管閉塞における代償的機転として発現が亢進し、そしてアドレノメデュリン-RAMP2系の刺激が血流再開・血管新生において保護的・治療的な意義を有している可能性が考えられ、アドレノメデュリン-RAMP2系が眼虚血疾患において有望な治療標的として期待される。
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