2016 Fiscal Year Research-status Report
組織プラスミノーゲン活性化因子による脈絡膜血管新生抑制
Project/Area Number |
16K20323
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
水谷 武史 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (70770428)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脈絡膜新生血管 / 組織プラスミノーゲン活性化因子 / 加齢黄斑変性 |
Outline of Annual Research Achievements |
私たちはこれまでに、過剰なレーザー出力でブルッフ膜を破壊し、実験的に脈絡膜新生血管(CNV )を誘導するマウスレーザーCNV モデルを用いて、CNV 病態解明および新規治療法開発を目的に研究してきた。本研究では、臨床での推論を証明し、実験的なエビデンスを得ることを目的に、マウスレーザーCNV モデルを用いて、組織プラスミノゲン活性化因子(tPA)のCNV に対する血管新生抑制作用およびその機序の解明を図り、CNVに対するtPAの抗血管新生作用およびその機序ついて検討し、臨床的に抗VEGF 治療補助となる新規CNV 治療法開発を目指すものである。 具体的にはレーザーCNV モデルを用いて、tPA の硝子体内に投与により、蛍光眼底造影におけるCNVからの血管漏出が抑制されること、またマウスレーザーCNVモデルを用いて、tPAの硝子体内投与によりCNV体積が用量依存的に抑制されることを確認した。よって、tPAがマウスにおいて、レーザー誘発CNVを機能的および解剖学的に抑制することが確認できた。 組織プラスミノーゲン活性化因子の硝子体内投与がマウスにおけるレーザー誘発CNVを抑制する機序として、tPAがCNV形成の足場としての役割を担っているフィブリンの形成を阻害することによると考える。よって組織切片におけるフィブリンタンパクの発現を免疫組織学的に確認して、tPAによりその発現が抑えられるかどうかを確認し、またタンパクレベルにおいてもその発現が抑制されているかウエスタンブロット法を用いて確認したいと考えている。またマウスの網膜電図を測定することで、tPAの網膜毒性についても検討したいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
わたしたちはマウスの扱いおよびマウスのレーザーCNVモデルの作成の経験が豊富であり、手技的に問題がなく実験を遂行することが可能であった。また組織プラスミノーゲン活性化因子の硝子体内投与のマウスにおけるレーザー誘発CNVの抑制効果について統計学的にも有意差のある結果を得ることができ、おおむね順調に計画した実験を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
組織プラスミノーゲン活性化因子の硝子体内投与がマウスにおけるレーザー誘発CNVを抑制する機序として、tPAがCNV形成の足場としての役割を担っているフィブリンの形成を阻害することによると考える。よって組織切片におけるフィブリンタンパクの発現を免疫組織学的に確認して、tPAによりその発現が抑えられるかどうかを確認し、またタンパクレベルにおいてもその発現が抑制されているかウエスタンブロット法を用いて確認したいと考えている。またマウスの網膜電図を測定することで、tPAの網膜毒性についても検討したいと考える。
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Causes of Carryover |
物品の購入に際して端数が出たため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品購入費に充てる。
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Research Products
(1 results)