2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K20333
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
浅田 洋輔 順天堂大学, 医学部, 助教 (70596626)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アレルギー / アレルギー性結膜炎 / ILC2 / IL-33 / TSLP |
Outline of Annual Research Achievements |
Group 2 innate lymphoid cell (以下:ILC2)は、既知の細胞系譜に属さない新しいリンパ球で,アレルゲン刺激で上皮細胞から産生されるインターロイキン(IL)-33 およびThymic Stromal Lymphopoietin(TSLP)によって活性化される。ILC2 は多量の2 型サイトカイン(IL-13, IL-5)を産生し、アレルギー性炎症の慢性化、さらにはステロイド抵抗性の獲得に関連している。慢性重症アレルギー性結膜炎であるアトピー性角結膜炎(AKC)/春季カタル(VKC)には、ステロイドや免疫抑制剤治療に抵抗する重症例があり、その病態メカニズムの解明と治療法の開発が求められている。 本年度はILC2が欠損しているRag2/common γ chain ノックアウトマウスを用いたパパイン結膜炎モデルを作成し、予想通り炎症の指標だる好酸球浸潤が抑えられていることを確認、さらにRag2ノックアウトマウスに抗CD25抗体をマウス腹腔内に投与しILC2が90%以上除去できていること、好酸球の浸潤、また各種Th2サイトカインの発現上昇が野生型マウスに比べて抑えられていることも確認した。またIL-33ノックアウト、TSLPノックアウトマウスを用いてパパイン結膜炎モデルを作成し好酸球浸潤とTh2サイトカインの発現上昇が野生型マウスに比べて抑えられていることを確認した。このことは眼部におけるILC2による炎症がIL-33とTSLPによって惹起されることを裏付ける結果となった。 さらにヒト慢性結膜炎である春季カタルの患者由来の巨大乳頭結膜を用いてFACSを用いヒト結膜組織におけるILC2(Lin-CD25+CD127+CRTH2)を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は当初予定していた実施計画のうち①ILC2除去モデルを用いた実験、②IL-33、TSLPノックアウトマウスを用いた実験と29年度に予定していた⑥ヒト結膜におけるILC2の同定を行った。 今後28年度に予定していた③パパイン結膜炎モデルにおけるステロイドおよび免疫抑制剤投与における検討、29年度に予定している④IL-13レポーターマウスにおける実験、⑤IL-33中和抗体を投与した実験を行い眼部におけるILC2の機能解析を実施していく。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はILC2の除去モデルの作製とIL-33に関与するIL-33とTSLPのノックアウトマウスを用いて自然免疫系結膜炎モデルを用いて実験を行い当初の予定通りの結果を得た。 またヒト結膜組織からILC2を同定しマウスだけでなくヒトの眼部においてもILC2が関与していることが確認された。 29年度は予定通りに実験を遂行予定である、ステロイドおよび免疫抑制剤の使用は現在市販されている点眼薬を使用予定であり、IL-13レポーターマウスはすでに当研究室に搬入済である。今後IL-33中和抗体を作成し実験を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
予定していたよりも物品が安く購入できたため、あまりが生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新しい実験器具の購入費用に用いる予定である。
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