2017 Fiscal Year Research-status Report
後発白内障におけるプロテオグリカン・デコリンの関係と機能解析
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16K20336
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
柴田 伸亮 (稲垣伸亮) 金沢医科大学, 医学部, 助教 (30440514)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 眼生化学・分子生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
動物実験の遅れを考慮し、動物実験と並行し平成30年度の計画である白内障術後の後嚢混濁(PCO)で上昇するTGFβによるデコリン(DCN)発現の変化や、DCN添加によるTGFβに誘導される遺伝子群の抑制効果や細胞増殖能の解析を平成29年度に施行した。TGFβ2とFGF2添加によるLECでのDCN発現変化と、DCNが細胞増殖に与える影響について解析した結果、培養ヒト水晶体上皮細胞(HLEC)、マウスLEC (MLEC)ともに、FGF2添加により濃度依存的にDCN mRNA発現の増加を認めた。また、HLECへの、DCN添加によりLEC生細胞の増殖能の亢進や減少は認めないことが分かった。 DCN機能解析にはDCN遺伝子改変マウス作成が必須であるが、他のDCN-siRNAによる、ノックアウト(KO)実験より、DCN-KOによりEMTは影響を受けないとの結果が得られた。よって、DCN-KOではなく、DCNトランスジェニックマウス作成を開始した。DCN遺伝子改変マウスの有用性を検討するため、マウスを用いたPCOモデルを作成し、ラットと同様なDCN発現変化がみられるかを解析した結果、マウスPCOモデルでも術直後と比較してDCN発現は上昇しており、今後のPCO発症機構の解明にDCN遺伝子改変マウスは有用と推測された。現在、水晶体特異的にDCNを発現させるクリスタリンPax6プロモーターにDCNをつなげた発現ベクターを作成し、F0マウス作成に成功した。次年度に、マウスを繁殖しF1no機能解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の順番の前後はあるが、最終計画どおりに実験が進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
DCNトランスジェニックマウス水晶体の表現型の解析およびマウスPCOモデルを作成する。PCOモデルにおいてDCN過剰発現によるPCO抑制効果を組織切片で解析する。
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Causes of Carryover |
最終年度に実験を増やしため、必要な試薬の購入費に使用する。
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