2018 Fiscal Year Annual Research Report
Relationship and functional analysis of proteoglycan decorin in posterior capsule opacification
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16K20336
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
柴田 伸亮 (稲垣伸亮) 金沢医科大学, 医学部, 助教 (30440514)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 眼生化学・分子生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の予備実験において、プロテオグリカンの1種であるDecorin(DCN)は、ラット術後後嚢混濁モデルの水晶体上皮細胞(LEC)で発現上昇することが明らかになっている。しかし、DCNのヒトLECにおける役割は明らかではない。今回、DCNのヒト白内障眼のLECにおける発現を解析した。実験は金沢医科大学臨床研究倫理委員会の承認を得て施行した。金沢医科大学病院で白内障手術を行い、文書にて同意を得た患者からの82眼を対象とし、術中採取した前房水と前嚢片のヒトLECをサンプルとして用いた。白内障の分類はWHO分類で皮質、核、後嚢下白内障の3病型および前嚢下混濁に分類し評価した。ヒト前房水中のDCN濃度はHuman DCN ELISA法(Sigma)で測定し、ヒトLEC DCNの遺伝子発現量はリアルタイムPCR法((Taq Man human DCN Probe, 内因性コントロール:18srRNA)にて測定した。結果は、ヒト前房水中にもDCN が検出された。前房水DCN濃度は年齢や水晶体混濁病型および程度に関わらず様々な値を認めた。LEC DCN遺伝子発現量も前房水と同様に年齢や水晶体混濁の病型及び程度に関わらず様々な値を認めた。ラット後嚢混濁発生に伴いDCN発現増加を認めたが、ヒトの加齢白内障発生とDCN発現には関連がない可能性がある。結論として、ヒトLECにはDCNが発現しており、ヒト房水中にもDCNが分泌していることが初めて明らかになった。
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Research Products
(3 results)