2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K20339
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
福本 雅格 大阪医科大学, 医学部, 助教 (40707957)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アンジオテンシン受容体拮抗薬 / 加齢黄斑変性 / ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の眼局所投与による加齢黄斑変性に対しての有効性を明らかにし、ナノ粒子化による徐放効果、組織浸透効果を確認することで加齢黄斑変性に対する新たな治療法の可能性を探ることを目的としている。汎波長YAGレーザーを用いて網膜光凝固を施行することにより脈絡膜血管新生モデルを作成することに成功した。さらに安定的にナノ粒子化したARBを結膜下に注入することが出来た。結膜下に投与したナノ粒子化したARBにより脈絡膜新生血管(CNV)の体積が有意に抑制されることを見い出した。また、ARB局所投与によりCNV周囲へのマクロファージの浸潤が有意に抑制されることを確認した。さらに、炎症性サイトカインの遺伝子発現もARB局所投与により有意に抑制されることが分かった。これらより、動物モデルにおいてARBの眼局所投与による加齢黄斑変性に対しての有効性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アンジオテンシン受容体拮抗薬をPLGAナノ粒子に内包し、投与薬物を予定通り作成することが出来た。また、粒度分布、ゼータ電位の測定も終了している。次に動物モデルの作成については、汎波長YAGレーザーを用いて網膜光凝固を施行することにより脈絡膜血管新生モデルの作成に成功した。さらに安定的にナノ粒子化したARBを結膜下に注入する技術を習得した。摘出した脈絡膜組織を共焦点レーザー顕微鏡にて脈絡膜新生血管を撮影し、体積の測定が可能であった。そこで、ナノ粒子化したARBにより脈絡膜新生血管(CNV)の体積が有意に抑制されることを見い出した。免疫組織学的検討にてCNV周囲のマクロファージの浸潤を確認することが出来、ARB局所投与によりCNV周囲へのマクロファージの浸潤が有意に抑制されることが確認できた。リアルタイムPCR法を用いることで炎症性サイトカインの遺伝子発現もARB局所投与により有意に抑制されることが確認できた。 以上のことから、研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果により、動物モデルにおいてナノ粒子化したARBの眼局所投与による加齢黄斑変性に対しての有効性が示唆されている。今後、採取した眼内組織内のARB濃度を測定することで、投与した薬物が眼内へ移行していることを確認する予定である。さらに、これまでに得た知見の信頼性を高めるべく、追試を行う予定である。
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Causes of Carryover |
質量分析等の実施を次年度としたために、当初予定の金額との相違が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
薬物移行に関して、質量分析を施行する際の試薬購入とする。
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Research Products
(1 results)