2016 Fiscal Year Research-status Report
Nitrofenモデルを用いた先天性横隔膜ヘルニアに対する新規胎児治療法の開発
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16K20343
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
梅田 聡 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60715176)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 先天性横隔膜ヘルニア / 肺低形成 / 胎児治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
実験動物としてSDラットを用いた。妊娠9.5日のSDラットにNitrofen100mgを経口投与し、Nitrofen誘発先天性横隔膜ヘルニアモデルを作成した。妊娠21.5日に帝王切開にて摘出した新生仔のおよそ6割に先天性横隔膜ヘルニアを認め、正常新生仔と比較して肺重量体重比が低値であり、肺低形成を呈していることを確認した。またモデル動物において、組織学的に平均肺胞隔壁間距離の有意な低下および肺動脈血管平滑筋の有意な肥厚を認めることを確認した。 Nitrofen100mgを経口投与した母獣に対し、妊娠11.5日にONO-1301SR10mg/kgを単回背部皮下投与した。ONO-1301SR投与の有無による出生新生仔数の変化は認めなかった。母獣および新生仔のONO-1301血中濃度測定の結果、本剤が胎盤通過性を有し、母獣への背部皮下投与で胎児血中に移行していることを確認した。免疫組織化学染色の結果、プロスタサイクリン受容体の発現は、正常新生仔およびNitrofenモデルともに、肺動脈平滑筋層に主に局在していることを確認した。NitrofenモデルにおけるONO-1301SR投与群では、肺重量体重比が非投与群に比較して有意に高値であり、肺低形成の改善効果が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Nitrofenモデルの再現性を予定通り確認し、モデルを確立できたこと。 また、ONO-1301の胎盤通過性およびNitrofen胎児肺におけるプロスタサイクリン受容体の発現局在を確認し、さらにONO-1301SR投与による肺重量体重比の増加を認め、薬剤の効果が示唆されたこと。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、Nitrofenモデル胎児肺における、ONO-1301SR投与による組織学的な変化を検証するとともに、指摘投与量及び指摘投与時期の検討を行う方針である。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で、必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め当初予定通りに計画を進めていく。具体的には、消耗品、情報収集あるいは成果発表の為の旅費、投稿料に用いる予定である。
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Research Products
(2 results)