2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a mouse nerve-transfer model for brachial plexus injury
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16K20353
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
若槻 華子 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (20749642)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 再生医学 / 再建外科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床において、腕神経叢の節前損傷に対する肘屈曲能再建を目的とした神経移行術を行い、良好な結果が得られている。これは、損傷した神経が本来支配した筋に対し、異なる神経を切って移動し、その近位断端に元の神経の遠位断端を縫合する方法である。神経移行術後は、支配中枢が異なっても訓練による新たなネットワークが構築され、肘屈曲が可能となる。これは、支配神経の可塑性に依存しているが、実際にどのような変化、経路を経るのか明らかにされていない。 本研究では、神経移行術後の脊髄から末梢神経に至る神経再生経路および再生神経の発芽部位を明らかにすることで、末梢神経の可塑的再生ルート全体を解明する。これまでの実験でマウス腕神経叢の支配髄節がヒトと同等で有り、筋皮神経はC5,6,7、尺骨神経はC8,Th1にその支配中枢を持つことを明らかにした。続いて、マウス腕神経叢を用いて筋皮神経を尺骨神経へ移行する神経移行術モデルの作成に成功した。本モデルを用いて神経移行術後の筋の再支配について電気生理学的および組織学的に観察を行った。神経移行術後には、遠心性経路および求心性経路の再生が明らかになり、また再生神経の標的器官である筋の誘発筋電図の測定で活動電位を確認した。また、神経縫合術モデルと神経移行術モデルの比較を行い、神経移行術後と神経縫合術後における神経筋接合部におけるシナプス再生の過程を観察した。本実験モデルを用いることで、中枢での神経回路再編の解明につながると考えている。
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