2017 Fiscal Year Annual Research Report
The contribution of melanocytes and interaction with fibroblasts to wound healing of skin
Project/Area Number |
16K20356
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 大介 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60772465)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | メラノサイト / 線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ケロイド・肥厚性瘢痕形成機構の研究は、創傷治癒の中心的役割を担うとされる皮膚線維芽細胞をメインになされてきた。しかし、線維芽細胞は様々な臓器に存在し、そこでは種々の細胞と相互作用し合う。そしてそれは皮膚においても同様であると考えられる。一方 、ケロイド・肥厚性瘢痕は有色人種に多いことが知られている。これは言い換えれば皮膚のメラノサイトの活性が強い人種に多いということになる。加えて、ケロイド・肥厚性瘢痕は、体の部位によっても生じやすい部位と生じにくい部位があり、手掌・足底のような メラノサイトの活性が弱い部位には有色人種でもケロイド・肥厚性瘢痕を生じることはほとんどない。よって、メラノサイトがケロイド・肥厚性瘢痕形成に関与する可能性があり、今回それについての研究をすすめた。 まず人種間でのメラノサイトの違いに着目して、正常皮膚線維芽細胞が白人由来のメラノサイト、黒人由来のメラノサイトそれぞれとの共培養を行うことで、筋線維芽細胞への分化の違いがあるのかを確認した。皮膚線維芽細胞とメラノサイトの共培養では、それぞれの細胞を直接的、間接的接触にわけて行った。筋線維芽細胞のマーカーであるα-SMAを、ウエスタンブロッティングで比較検討を行った。 結果、それぞれの共培養でα-SMAは大差を認めなかった。白人由来と黒人由来のメラノサイトからの分泌因子だけでは、皮膚線維芽細胞から筋線維芽細胞への分化には大きく関与しないことが示唆された。
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