2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K20362
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山崎 俊 琉球大学, 医学部附属病院, 特命助教 (60464856)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リンパ節 / リンパ節培養 / ヒトリンパ節 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトリンパ節培養に必要になると予想されるものは①スキャフォールド、②ストローマ細胞、③抗原刺激細胞の三種類である。28年度はスキャフォールドに代わる培養器質の検討を行った。コラーゲンを基礎としたスキャホールドを数種類準備した。検討した培養方法はまず、得られたリンパ節を分割し、洗浄後にMEM培地で撹拌、洗浄を行う。得られた細胞懸濁液をMEM培地、RPMI培地、Tリンパ球培養キットで培養する。得られた細胞塊を作成したコラーゲンスキャホールドで三次元培養する。平成28年度は実際のヒトリンパ節の採取は研究に合致した症例が得られず、まだ培養を行えていない。平成29年5月に一例目のリンパ節採取を行う予定である。 研究の遅れがあるため、得られた培養組織はリンパ節としての構造を完全にとっていなくても免疫不全マウスの皮下、筋膜下、鼠径部などに移植する。マウス体内でリンパ節組織形成が得られるならば臨床応用が可能となる見込みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
リンパ節採取を行う条件を満たした症例が得られなかったため、具体的な培養が行えなかった。一時的にマウスによる培養も検討したが、本研究の利点はヒトの組織を用いる点であり、人組織での培養を優先することとなった。そのため、まずはスキャホールドの検討を共同研究者と行い、異なる構造のコラーゲンスキャホールドを準備している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年5月19日に一例目のリンパ節採取、および培養を予定している。採取した培養は分離、撹拌したのちに4種類の培地で同時に培養予定である。 次に得られた細胞塊を複数の組み合わせでコラーゲンスキャホールドで培養を行う。 5月19日以降はおよそ一週間から2週間に一度、リンパ節の採取が行える見込みである。 研究進捗状況が遅れているため、得られたリンパ節様組織は完全にリンパ節といえる条件(T細胞、B細胞の濾胞構造を得ている、濾胞樹状細胞がみられる、高内皮細静脈が形成される)を満たしていなくても、免疫不全マウスの皮下、腎被膜下、筋膜下などに移植する。皮下や筋膜下への移植でリンパ節の特徴を得るようになれば、今後の臨床応用が十分に期待できる。
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Causes of Carryover |
実験の条件にあう症例からのリンパ節採取が行えなかったために、実際の培養操作が行えなかった。そのため、当初予定した培地、各種抗体の購入を行わなかったために予算に余裕が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度に購入予定であった各種培地、抗体を購入予定である。
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