2017 Fiscal Year Annual Research Report
Ex vivo angiogenic cell expansion system increases the number and vasculogenic potential of endothelial progenitor cells by switching the culture gravity condition
| Project/Area Number |
16K20370
|
|---|
| Research Institution | Juntendo University |
|---|
Principal Investigator |
萩原 裕子 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 博士研究員 (30589429)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
| Keywords | 血管内皮前駆細胞 / 宇宙医学 / 血管再生 / 創傷治癒 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、血管内皮前駆細胞(EPC)など血管再生能を有する細胞集団の質と量を増幅させる培養方法であるMNC-QQ法(Tanaka.R. et al. Diabetes .(2013))を微小重力環境下において実施することで、既存の培養技術の効果を更に向上させ、既存法では培養効率が悪い症例においても高い培養効率と機能を有する細胞を増殖させる培養方法の確立を目的としている。
前年度では、EPCの血管再生能を表すEPC-Colony forming assayの結果、単一環境下で培養した群と比較して、微小重力環境下培養後に通常環境下培養を行った群ではコロニー数の有意な増加を認めた。また微小重力環境下群では、対照群と比較してEPCマーカーの一つであるCD34陽性細胞の発現割合が有意に増加することを明らかにした。更に、炎症性マクロファージのマーカーであるCCR2陽性細胞は、対照群と比較すると微小重力環境下培養群では更に発現が低い傾向にあることが明らかになった。最終年度では、EPCの数を示すEPC-culture assayの結果から、微小重力環境下培養後に地球重力環境下培養を行った群で、対照群と比較して有意にEPCの数が多いことが明らかになった。更に、微小重力環境下でMNC-QQc法を行うことで、血管新生関連因子のVEGF-B遺伝子とVEGF受容体であるKDR遺伝子の発現が対照群と比較して有意に増加することを明らかにした。また、VEGF-A遺伝子は対照群と比較して両環境下培養群で有意に発現の増加が認められた。以上の結果から、MNC-QQc法における培養重力環境の変化が、培養効率と血管再生能をさらに向上させることが明らかとなり、通常環境と微小重力環境の各培養期間の組み合わせを検討することで、従来法より更に高い血管再生能を有する細胞集団を増幅する新規培養方法を確立できる可能性が示唆された。
|
