2018 Fiscal Year Research-status Report
36℃低体温法の心筋虚血再灌流障害保護作用:水素によるさらなるROSの制御
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16K20383
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
川島 信吾 浜松医科大学, 医学部, 助教 (10467251)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 虚血再灌流障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
Sprague-Dawley 雄性ラットを対象に、ランゲンドルフ装置を用いた孤立心筋モデルを作成した。各群を8例ずつとした。37℃で95%酸素濃度の灌流液で2 0分間の安定化後に、30分間の完全虚血にする。その後、温度を変化させて、再灌流を90分行った。孤立心筋の灌流液の温度を37℃から36℃と34℃に低 下させ低体温法の、虚血再灌流に及ぼす影響を検討した。孤立心筋モデル灌流後の左心室横断切片はTriphenyltetrazolium Chloride (TTC) 染色を行った後、直ちにデジタルカメラで撮影し心筋梗塞範囲を定量した。デジタルカメラで撮影した染色心筋を当講座が開発した色を識別して面積を計測する装置で正確に心筋梗 塞サイズを計測した。心筋梗塞サイズの変化の結果は コントロールグループは45.2%±13.9% 34度の低体温群では、10.9%±5.3% (p<0.001) 、36度 低体温群では 28.2%±9.5%(p<0.001)であった。他に記録したバイタルデータ(心電図波形、心拍数、左室内圧、冠灌流量、灌流液温度、PaO2、PvO2、 lactate)については各群で優位な差は見られなかった。これにより心筋梗塞のサイズは体温によって変化することがわかった。臨床的意義として虚血によるダ メージは体温の変化で抑制できることがわかる。ただ、その温度の2℃の差が臨床的に意味があるかは不明である。 この原因についてはまだできていない。水素の投与による心筋梗塞サイズの影響はランゲンドルフ装置の不具合により確認できなかった。そこで、水素の最適濃度の調査へと切り替え、2%では効果があるものが、4%では保護作用が消えることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ランゲンドルフ装置の故障により研究計画の追行が困難な状況になってしまった。 めどがつき次第再開するが、それまでの間に水素の保護作用について実験する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
水素の最適濃度は2%程度であることが、予備実験で確認できた。 孤立心筋モデルでのその濃度は不明であるが、装置が治り次第、濃度を変えて投与してみる。
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Causes of Carryover |
実験装置が故障したことによって、予定していた実験が追行できずに費用を使用しなかった。
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