2016 Fiscal Year Research-status Report
災害現場におけるクラッシュ症候群の新規重症度判定法の樹立と初期治療戦略の開発
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16K20397
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
村田 勇 城西大学, 薬学部, 助手 (80610667)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | クラッシュ症候群 / 皮膚傷害 / 診断法 / 相関性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、瓦礫の下敷きになったヒトたちが生じるクラッシュ症候群が、混乱した現場の治療判断によって患者予後を大きく左右されていることから、現場レベルで正確な判断ならびに適切な治療を実施するための指標を皮膚状態を介して病態進展の予測することを目的としている。この関連性を明らかにすることで、クラッシュ症候群の皮膚による診断法を開拓する。1年目の研究目的は、以下のとおりである。 (1)これまでに確立したウィスターラットクラッシュ症候群モデルは皮膚状態を評価するのに適していないことから、皮膚状態を評価するためのヘラレスラットクラッシュ症候群モデルによって、生存率、バイタルサイン、血液ガスパラメータ、生化学的マーカーなどによって再現性を評価する。 (2)ヘアレスラットクラッシュ症候群モデルにおける皮膚の状態を、経表皮水分蒸散量測定、角質水分量測定、皮膚表面温度測定、皮膚色測定(紅斑・メラニン)、患部および全身の皮膚表面の血流量測定によって傷害性を評価する。 (3)上記の①および②から得られた結果を踏まえて、皮膚状態を創刊する種々パラメータを明らかにし、その関連性から皮膚症状の進行メカニズムについて解明する。 結果の概要は、ヘアレスラットクラッシュ症候群モデルがウィスターラットクラッシュ症候群モデルと同等に再現できた。その皮膚状態はクラッシュ傷害を受けた個所の皮膚傷害性が増大し、皮膚色は病態進行による赤色化から白色化に遷移した。すなわち再灌流による一時的な毛細血管拡張による赤色化と進展する全身虚脱による血流低下が白色化を進行したと考えられた。加えて、炎症惹起に伴うメラニン合成の低下も示唆された。皮膚傷害と病態進展の関連性の判定は、従来から用いられている重症度の指標(カリウムやCPKなど)と高い相関性を示し、初期の皮膚変化は後に進行する高カリウム血症の程度などの予想が可能であることも示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物種の変更に伴うクラッシュ症候群モデルの再現性が高いこともあって、皮膚状態の評価と病態進展の関連性の解析は、概ね計画通りに進行している。現在は、軽症度のタイプのヘアレスクラッシュ症候群モデルを構築中であり、皮膚症状と病態の関連性を評価している。これまでに明らかにしている重症度タイプのモデルと比較するには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
軽症度のクラッシュ症候群モデルの皮膚症状の解析ならびに病態の解析を行っている。同時に、2年目に計画している、治療・処置による効果の解析は、重症度・軽症度のクラッシュ症候群モデルを使用したクラッシュ部のアイシング処置の効果について予備検討中である。
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Research Products
(1 results)